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2020.05.11 11:30

新型コロナで資産増加 世界のヘルスケア富豪10人

モデルナのステファヌ・バンセル最高経営責任者(Photo by Steven Ferdman / Getty Images)

世界保健機関(WHO)が新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を宣言した3月11日以降、世界各地の株式市場は暴落し、ダウ平均株価は1987年以来最悪の下げ幅を記録した。株式市場はその後いくぶん回復したが、そうした中でもまったく打撃を受けず堅調に上昇を続けてきたのが、ヘルスケア関連企業の株だ。

新型ウイルス流行を終息させるために必要なワクチンや治療法、検査キットの開発に取り組む企業の株価は、ここ2カ月ほどで急上昇しており、それに伴い新たなビリオネア(保有資産額が10億ドル以上の富豪)が1人誕生したほか、少なくとも9人のビリオネアが保有資産を大幅に増やした。

新たにビリオネアの仲間入りを果たしたのは、米マサチューセッツ州に本社を置くモデルナのステファヌ・バンセル最高経営責任者(CEO)だ。同社は3月16日、新型ウイルスで初となるワクチン臨床試験をシアトルで開始した。バンセルの保有資産はWHOのパンデミック宣言時、7億2000万ドルだったが、モデルナ株はその後103%上昇し、バンセルの資産額を15億ドル(約1600億円)に押し上げた。

バンセルの保有資産額は4月2日、モデルナがワクチンの第2相試験開始を計画しているとのニュースを受けて同社株が上昇したことにより、10億ドルを突破した。資産額の増加率は、一連の富豪の中で最も高い109%だ。増加率が2番目に高かったのは連続起業家グスターボ・デネグリの32%(保有資産額11億ドル)で、伊バイオテクノロジー企業ディアソリンの株式の45%を保有していることで資産を大幅に増やした。

資産の増加額が最も多かったのは、バンセルが2011年までCEOを務めていた診断製品メーカー、ビオメリューを創業した仏富豪アラン・メリューと、韓国のバイオ製薬会社セルトリオンのソ・ジョンジン会長の2人。いずれも3月11日から資産を約15億ドル増加させた。ビオメリューとディアソリンの両社は3月下旬に新型ウイルスの診断キットを発売しており、新型ウイルスの検査体制強化において重要な役割を果たしている。
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編集=遠藤宗生

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