自動運転ウェイモが試験走行を再開、輸送部門のWaymo Viaも始動

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アルファベット傘下で自動運転車両の開発を行う「ウェイモ」は新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、アリゾナ州フェニックス郊外でのテストを2カ月近く停止していたが、来週からオペレーションを復活させる。

ただし、現地の住民向けのロボットタクシーサービスの再開スケジュールは、まだ決定していない。

ウェイモは5月11日から、同社の自動運転テクノロジーを搭載したクライスラー・パシフィカ製ミニバン車両のテスト走行を再開させると公式ブログで宣言した。同社はこれまでと変わらず人間のテストドライバーを同乗させ、自動運転の試験を再開する。

ただし、フェニックスの住民向けのロボットタクシーサービス「Waymo One」の再開スケジュールについては、開示されていない。

ウェイモは米国疾病予防管理センター(CDC)やアリゾナ州当局のガイドラインに従い、ドライバーやスタッフの感染予防策を行いつつ、限定的な形でテストを再開する。ガイドラインではマスクの着用や、従業員同士の距離を保つことが規定されている。

「当社は今後のWaymo Oneサービスの再開を視野に入れつつ、安全策を講じた上でテストを再開する」と同社は述べた。「今後の数日から数週間の間で、サンフランシスコやデトロイト、ロサンゼルスでの試験走行も復活させる」

ウェイモは米国企業としては初めて、小規模でパブリックな自動運転のテストを2018年末から、アリゾナ州チャンドラーで始動させていた。同社は米国全土で約1000台の自動運転車両を走行させており、今後2年以内にさらに数万台の車両を追加する計画だ。

ロボットタクシーサービスのWaymo Oneは、ウーバーやリフトと類似したアプリから配車が依頼できるサービスで、事前に登録を行ったフェニックスの住民らを対象にテストを重ねている。

ウェイモは今年から、自動運転トラックや配送車両を用いたWaymo Viaと呼ばれる輸送サービスのテストも開始していた。同社は米国がロックダウンに踏み切る直前の今年3月に、22億ドル以上の資金を外部から調達し、ロボットタクシーや自動運転トラック輸送のR&Dを拡大しようとしていた。

同社はその際に調達した資金を、アリゾナ州のスタッフの賃金の支払いに充てていた。

ウェイモは公道でのテスト走行を休止させて以降も、ハードやソフトの開発を継続し、コンピュータ上のシミュレーションで膨大な距離のテストを重ねてきたと述べた。

編集=上田裕資

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