WOMAN「女性ビジネスリーダー」編
Forbes JAPANで長年取り上げてきた女性ビジネスリーダー。ロールモデルがいない中で誰を心の支えとしてきたのか。企業で活躍する女性のビジネスリーダーらを表彰する「Forbes JAPAN WOMEN AWARD」の受賞者と巻頭連載「イノベーション女子」に登場した起業家に聞いた。
〈共通質問〉
1. あなたが「人生の師匠」とする人物は誰ですか?
2. その人とはいつ知り合い、いつから師と仰ぐようになりましたか。
3. その人はあなたにとってどのような存在でしょうか。
4. その人からどのようなことを学びましたか。
城宝 薫(テーブルクロス CEO)
じょうほう・かおる◎1993年生まれ。大学在学中に飲食店検索メディア「テーブルクロス」を設立。訪日旅行客向けグルメプラットフォーム「byFoood」も運営している。勝手に認識、50人以上の師匠たち
1. これまでの出逢いのなかで、この人のここが尊敬できるというのを見つけるようにしている。見つけたら人生の師匠だと勝手に認識。
2. 数えるだけでも「この人のここが素敵!」という人が50人はいる。専門知識が優れている人もいれば、哲学の解き方が独特な人もいて、ジャンルは様々。その人の口癖を真似したりします。
3. 人生の選択肢を提供してくれる。
4. 自分が成長するための道しるべ的存在。
高橋クロエ(Cosme Hunt 創業者兼CEO)
たかはし・くろえ◎1989年生まれ。大学卒業後、広告会社の営業職などを経て、18年にCosme Huntを設立し、日本の化粧品を北米向けに紹介するサービスなどを展開。目的を明確にして教えを請う
1. ブランドン・片山・ヒルさん(東京とサンフランシスコを拠点に日本企業の海外展開支援などを行うビートラックスCEO)、オディール・ルジョルさん(仏ロレアルCMOや同傘下のランコムCEOを務め、現在は女性投資家としてシリコンバレーを拠点にビューティー・テックを支援している)
2. ブランドンには2012年に出会って2015年にメンターに、オディールには2018年に出会って半年後にメンターになってもらいました。それぞれ出会ってから3年、半年と期間が空いています。自分がやりたいことや師匠に助けてほしいことが明確になった時に師匠になってもらう必要があると思います。逆に将来の理想像や事業計画がちゃんと定まっていない時は、師匠はできにくいです。
3. 2人とも、人生とビジネスの両方のメンターです。何かの決断に迷った時、ビジネス的観点と、1人の人間としての観点の両方からアドバイスをしてくれるのが師匠かもしれません。
4. 彼らは基本的には、成功事例・経験・失敗・原因を教えてくれた上で、最後には自分で選べるように誘導をしてくれます。(1)経営人生で成し遂げたい物事に対する道順や決断方法、(2)不確実性の高い出来事に対する心の構え方、(3)避けるべき失敗、 (4)その人のネットワーク。主にこの4つをアドバイスしてもらいます。特に海外で、近い状況の師匠と出会えたのは貴重だと感じます。
中村朱美(minitts 代表取締役)
なかむら・あけみ◎専門学校の広報として勤務後、12年に夫とともにminittsを設立し、1日100食限定のレストラン「佰食屋」をオープン。Forbes JAPAN WOMEN AWARD2018受賞者。判断の基準を与えてくれる心の支え
1. 夫(minittsで不動産事業を担当)。
2. 10年前に出会い、すぐに尊敬するようになった。
3. 心の支えであり、選択を迫られたときに判断する際の基準となる人。ものごとを俯瞰で見られて、誰も傷つけずに物事を解決していける人。心が広く、器が大きく、優しい。こんな人になりたい。
4. 人に物事を伝える時の伝わる言い方、自分の心のコントロール、問題解決のための選択肢。そして感謝を口にすることの大切さ。
寒竹明日美(tsumiki証券株式会社 代表取締役CEO)
かんたけ・あすみ◎1997年丸井グループ入社。国分寺マルイ店次長(副店長)、同グループIR部課長などを経て2018年より現職。Forbes JAPAN WOMEN AWARD 2018受賞者。レジリエンスを教えてくれる存在
1. 農家の岡田源治さん
2. 10年程前から岡田さんの畑でボランティアをしています。
3. レジリエンスの師匠。
4. 自分のできる範囲で最大限の努力をして結果を出す。どんなに努力しても自分の力が及ばないことも。ある日、ヒョウが降って収穫直前のトウモロコシが全滅。岡田さんは「しょうがない、自然のことだもん」。仕事に当てはめて考えると気持ちが楽になりました。
江澤身和(スープストックトーキョー 取締役)
えざわ・みわ◎短大卒業後、2006年に入社、複数店舗の店長や取締役を経て、19年に取締役副社長に就任。Forbes JAPAN WOMEN AWARD 2018受賞者。背中を押してくれた父の一言
1. 父
2. 短大卒業を控え、進路を迷っていた時。父は「周りに合わせる必要はないし、じっくり自分のやりたいことを考えて進めば良い」と、背中を押してくれました。
3. 父であり、仕事人としての師匠。30歳以降に修行して整体師に。
4. 「人は人」。周りと比べないで自分の思う方向にまっすぐ進むこと、そして自分の仕事にプライドを持つこと。
矢島洋子(三菱UFJリサーチ&コンサルティング 執行役員)
やじま・ようこ◎1989年に三和総合研究所(現三菱UFJリサーチ&コンサルティング)入社。出産でいったん離職したのち復職。Forbes JAPAN WOMEN AWARD 2018受賞者。人生の岐路に相談したい人
1. 三和総合研究所(現三菱UFJリサーチ&コンサルティング)初代社長の松本和男さん
2. 入社8年目に私が退社を考えた時にアドバイスをいただいてから。
3. 人生の岐路に立った時に相談したいと思う人。長く生きて深く思索を続けてきた方のお話には気づかされることが多く、また、大樹に触れた時のような安心感があります。
4. 志を持って生きること。短期的な成果を求めず動くこと。
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