ビジネス

2020.05.11

生き残った先に「光」がある。飲食店の活路を切り拓く、応援購入の可能性

今年4月にオープンした「τρεῖς (トレイス)」


都内に限らず、全国の飲食店が新型コロナウイルスの感染拡大によって営業自粛、売り上げの減少など、深刻な状況に追い込まれている。そんな全国の飲食店を少しでも手助けすべく、新たな取り組みがスタートした。

全国の信用金庫が連携して組織している「よい仕事おこしネットワーク」と、ビジネス版 LINE「LINE WORKS」を提供するワークスモバイルジャパンが、さまざまな企業に協力を呼びかけ、事業者の情報発信をサポートする支援プロジェクト「つながろう!」プロジェクトを開始。5月15日、特設サイトもオープンする。

協力企業の1社として、これまでに全国各地の事業者が新しい製品・店舗・サービスを生み出し、広げていくためのサポートを行ってきたマクアケも参画。同社は飲食店を中心に、Makuakeでのプロジェクト実施のサポートを行っていくという。

マクアケ共同創業者・取締役の坊垣佳奈は、「これまでにMakuakeは1500件を超えるフード・飲食店ジャンルのプロジェクトが掲載されてきた実績がある」と言い、その強みを生かしながらプロジェクトごとに経験豊富な担当者がつき、実行者に伴走しながらプロジェクトについて、さまざまなアドバイスをしていくとのこと。

また、「つながろう!」プロジェクトに参画する全国の信用金庫から紹介を受けた飲食店は、利用手数料を通常より低く調整してプロジェクトを実施できる。

飲食業界で広がる、クラウドファンディングの活用


今やMakuakeには、さまざまなカテゴリーのプロジェクトが掲載されており、飲食業界が店舗の立ち上げや、新商品開発のためにクラウドファンディングを活用する事例も少なくない。そうした流れを生み出すきっかけとなったのが、会員制の馬肉専門店「ローストホース」が開業するにあたって会員を募集したプロジェクトだ。

「飲食店がクラウドファンディングの仕組みを活用する事例は過去にあまりなく、ローストホースの事例が話題となったことがきっかけとなり、以降、飲食業界での活用が少しずつ増えていった」と坊垣は語る。

飲食店はMakuakeを活用することで、プロジェクトを通してお店の新しい取り組みや新商品、新サービスを発表し、応援してくれるサポーターが募れる。また、プロジェクトを見て応援したいと思ったサポーターは、実行者の思いやプロジェクトを実施する背景を知った上で、応援の気持ちを込めて自身が欲しいサービスや商品を買う“応援購入”をすることで、実行者の挑戦がサポートできる。
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文=新國翔大 人物写真=小田駿一

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