どこで採れる、どこで磨く
ダイヤモンド原石が最も多く採れる国は?答えはロシアだ。次いでボツワナ、カナダ、南アフリカ......と続く。2018年のダイヤモンド総産出量は、およそ1億3000万カラット。上位4カ国が総量の75%以上を占め、その他の国が残りを占める状況だ。
では、原石はどこで研磨されているのか?意外かもしれないが、圧倒的なのがインドで、全体の80%弱を研磨。ベルギーやイスラエルなどの国は、大粒の石や特殊な形状の石に特化して研磨している。そして伝統的なダイヤモンドの集積地、オランダも。この国では、王室からロイヤルと冠することを許された「ロイヤル・アッシャー」が、質が高く輝きの美しいダイヤモンドを生み出している。
史上最大のダイヤモンド原石
1905年に南アフリカから産出したダイヤモンド原石「カリナン」は、3106カラットもの重さ。発見から1世紀以上がたつが、いまだこれを超える原石は見つかっていない。
英国王室に献上されたこの原石のカッターとして白羽の矢が立ったのが、当時世界最高の研磨職人とされたジョセフ・アッシャーだ。彼はカリナンを石理に沿って割り、9つの大きな石と小さなかけらに分けた。この9つのダイヤモンドは、英国王室の王笏や帝国王冠、ブローチなどにいまも輝いている。
1908年、史上最大の原石を割るジョセフ・アッシャー。現在はレーザーで原石を切断するが、当時はナイフを当ててハンマーで割った。
新たに開発されたカットとは
通常のラウンドブリリアントカットは58面。だがロイヤル・アッシャーが近年発表した「ロイヤル・アッシャー・カット」「ロイヤル・アッシャー・ブリリアントカット」には、74の面が施されている。光の屈折を光学的に計算したカットであるため、白い反射光やレインボーの分散光、きらきらした光がまぶしいばかり。鮮烈な輝きにこだわるなら、こうしたカットも選択肢に入れておきたいものだ。
高い評価を得たロイヤル・アッシャー・カット
光学的に計算されたロイヤル・アッシャー・ブリリアントカット
問い合わせ:ロイヤル・アッシャー・オブ・ジャパン(03-4346-3106)