対人関係を強化し、自己認識を高める。仕事での「心の知能」活用法

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心の知能(Emotional Intelligence、EI)は、対人関係でますます重要になっている。ウェルネスに関するサイト「HelpGuide.org」によれば、EIは「ストレスを緩和し、効果的にコミュニケーションを取り、他者と共感し、課題を克服して不安を和らげるために前向きな方法で自分の感情を理解・使用・管理する能力」と定義されており、他者との関係において感情を読み取ることを中央に据えている。

これは、チームメンバーや従業員、顧客らと関わるビジネス上で特に重要だ。EIは、対人関係を改善するだけでなく、あなたの影響力を拡大する力を持つ。ここでは、それを有効活用する3つの方法を紹介しよう。

1. 他者の動機や感情を理解しようとする


まずは、誰しも自分自身の感情と動機を通して世界を認識することを認めよう。質問をして、会議や電話を通して観察を行うこと。製品やサービスを説明するための電話で潜在的な顧客の動機や感情を特定するためさまざまな質問をする場合と同じくらいの関心を、全ての人間関係に持つようにしよう。

もう一つの視点は共感だ。米自己啓発書作家のマーク・マンソンは、他者の痛みを理解することはその痛みを自分のものとして感じることと類似すべきだとし、「相手を何かの手段としてではなく、それ自体を目的として扱うこと」と述べている。

これは、他者とのコミュニケーションにおいても重要だ。相手を慎重に観察し、ある日落ち込んでいるようだと気づいたら、おそらくその日は自分自身の問題についてぶちまけるべきではない。相手の感情状態をまずは評価し、あなたが境界線を越えていると相手が感じないようにすること。

2. 他者の貢献に価値を見出す


誰しも、対人関係で自分を評価してほしいと考えている。そのように感じられなければ、より多くの時間とエネルギーをその関係性に投資しようと思わないだろう。ジャロム・スミスは、特に若者や青少年に向けたリーダーシップとEIの専門家だ。スミスは私に、EIには行動や動機を他の人に向けることが含まれると語った。

「影響力というのは、他者に自分の価値や貢献を見てもらうことではなく、他者が自らの価値や貢献に気づくよう手助けをすることだ」とスミスは言う。つまり、自分の貢献よりも、その人の貢献を強調することの方が効果を発揮する。

人は大半の場合、自分には何もできないと感じているときに自然とためらってしまう。そんなとき、その人が自らの重要性を理解できるよう手助けをすれば、相手はまず尊重してくれたあなたをリーダーとして見るようになるだろう。EIに欠ける人は、他者の支援とエンパワーを目指すより自分を優れた存在として主張し、真の影響力を及ぼす力を失ってしまうのだ。
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翻訳・編集=出田静

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