閉塞感が漂ういま、求められるきゃりーぱみゅぱみゅの存在。彼女はコロナ禍に何を想うのか?


──TikTokに限らず、コロナ以降では、オンラインコンテンツのあり方やファンとの接し方が変わっていきそうだなと思いますか? もしくは、また元に戻るだけで変わらない?

いやあ、変わっていくと思います。私は、今までずっと歌に力を入れてやってたんですけど、最近は香水を出したり、あとパジャマが好きなのでパジャマを作ったり、そういった形で新しいコンテンツを届けたいなとも思うんです……が、でもそういうことを書くと、「通販は配達員がかわいそうです」「そういうことを影響力ある人は言わないでください」とか、もういろんな意見がきちゃって。だから、試行錯誤しないとダメだなって思いながら……でも、おうちにいる時間を楽しく過ごしてほしいからいろいろ考えます。

──音楽以外のもの作りに対する意欲が大きくなっている?

もちろん音楽を中心にはしたいんですけど、「え、これなんでないの? 作ろうよ」と思ったものを、もっと作れたらなって思っています。金木犀の香水を作ったのも、みんなストレス社会で戦っててイライラしたり不安もある中で、私は小学生の頃、帰り道に金木犀の香りを嗅いで深呼吸して落ち着いていたことを思い出して、「金木犀の香水って、あまりないよな、あったらいいのになあ」と思ったからで。

──ずっと時代の最先端に自分のアンテナを向けながら、年齢が変わっても、時代が変わっても、その時々のみんながまだ知らない「可愛い」「かっこいい」「面白い」を常に発信・創造してくれているきゃりーさんは、すごく尊い存在だなと思います。

来年10周年になるんですけど、ここ最近、新しいことにチャレンジすると、意地悪な人には「迷走してる」「もう原宿系やらないんですか?(笑)」みたいなに言われたりするんですよ。新しいことに挑戦するという部分に対しては、意地悪な視点ではなく、応援して見てほしいなって思います。

根本の部分はもちろんブレないようにしていきたいですけど、やっぱり自分も次28歳になる中で、昔は厚底スニーカーしか履かなかったのに、ここ最近は「あれ、ヒールって可愛いかも」とか「あれ、口紅塗るとこんなに綺麗になるんだ」みたいに思うようになってる部分がたくさんあって。18歳から28歳になるあいだでは、もちろんめちゃくちゃ変わっていく。始まりは18歳の少女でしたけど、可愛いものや美しいものを自分なりに変えていけたらいいなって思います。なので、これからもどんどん変化して、「でもしっかり『きゃりーぱみゅぱみゅ』であり続ける」ということを大切にしていきたいです。

テキスト=矢島由佳子

ForbesBrandVoice

人気記事