閉塞感が漂ういま、求められるきゃりーぱみゅぱみゅの存在。彼女はコロナ禍に何を想うのか?

日本のポップアイコン・きゃりーぱみゅぱみゅ


今はTikTokが一番面白い。その理由とは


──新型コロナによってSNSやメディアの使われ方も変わってきていますが、きゃりーさんにとって、今どのSNSが一番面白いですか?

今回初めてTikTokライブをやったんですけど、面白かったですね。多分、見てる方の年齢層が少し低めで、小中高生が多かったと思うんですけど、新鮮でした。インスタライブをしてると、たとえば「きゃりーちゃん、今日の眼鏡はどこのですか?」とか、「あめちゃん(愛犬)いますか?」とか、そういうコメントがくるんですけど、TikTokライブは「○○(視聴者自身の名前)って呼んで」「○○大好きって言って」とか、自分のことを言うものがめちゃめちゃ多くて。

──きゃりーさんは、この自粛期間中もTikTokの投稿を活発にやられていますよね。

「うちで踊ろう」とか「うたつなぎ」とか、いろいろ流行ってたじゃないですか。「うたつなぎ、きゃりーちゃんに回していい?」とか言われるんですけど、私はシンガーソングライターじゃないし、楽器とかも弾けるわけじゃなくて、やっぱりダンサーさんありき、衣装ありき、メイクありきで「きゃりーぱみゅぱみゅ」なので、ああいうのはできないんですよね(笑)。なので、TikTokとか、違う形で元気を配信できたらなって思っています。

──今も「#この糸は切れない」というハッシュタグチャレンジを開催されていたり、約2年前から「友達とふざける用アカウント」も持たれていますが、TikTokのどういったところが面白いと感じますか?

私は高校生のときから連写したり動画を回したり、音楽を流して踊ったりするのがすっごく好きだったんですね。それって今思うと、TikTokで。TikTokって、自分で15秒のミュージックビデオが撮れるみたいなもので、音質もいいし、早回しとかフィルターもたくさんかけられるし、「なんて楽しい世界なんだろう」ってところがハマったきっかけです。

インスタライブはフィルターをかけられないのでありのままが出ちゃうんですけど、TikTokは加工アプリと一緒で、結構可愛くできるんですね。なので、SNSの中で「可愛い」「かっこいい」「○○(有名人)に似てる」とかって言われるのが、みんな純粋に嬉しいんだと思います。気持ちいいし、嬉しいし、プチ有名人になってる感じがするので、みんなあげたりしているのかなって思いますね。

あとは、トレンドが一目でわかりますね。「あ、今こういうダンスなんだ」とか、「こういう楽曲だったら真似しやすいんだ」とか。今、もう、テレビ番組のランキングを見るより早いんじゃないかなって思います。

今の時代は、アプリで可愛く撮れるし、さらに可愛い動きをすると、その可愛さが増すわけで。なので「かまいたち」の振り付けも、上半身の中でいかに可愛く表現できるかを考えて作ってもらったんです。ここ最近の私の作品は、上半身だけで可愛くできるように、というのを振付師さんに考えていただいてるものが多いですね。
@kyary_offcial

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テキスト=矢島由佳子

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