閉塞感が漂ういま、求められるきゃりーぱみゅぱみゅの存在。彼女はコロナ禍に何を想うのか?

日本のポップアイコン・きゃりーぱみゅぱみゅ

2020年。本来であれば、日本のポップアイコン・きゃりーぱみゅぱみゅは、カリフォルニアで開催される世界屈指の音楽フェス『コーチェラ・フェスティバル』のステージに立っているはずだった。オリンピックが予定通り開催されていたならば、その期間にも、日本のカルチャー代表として世界から目を向けられていたことだろう。

それらが、新型コロナウイルスによって消えてしまった──今、きゃりーぱみゅぱみゅは、なにを想うのか。一時期は落ち込んで、不安が夢にまで出てきたという。

世界中が先の見えない不安に包まれる中、彼女は4月24日にデジタルシングル「かまいたち」をリリースした。中田ヤスタカが書き下ろした同曲は、きゃりーぱみゅぱみゅらしい独自のオリエンタル感とファンタジーに溢れた楽曲に仕上がっている。

そう、「きゃりーぱみゅぱみゅ」は、現実をファンタジーで塗り替えるエンターテイナーであり、中田ヤスタカが作る音とともに世界中にいるリスナーの心を弾ませてくれる存在だ。さらには、ブログ、ツイッター、動画サイトなど時代に合ったメディアやSNSを常にいち早く使いこなしてきたセンスを持っている。

世界中に閉塞感が漂い、メディアやオンラインコンテンツの転換期である今だからこそ、きゃりーぱみゅぱみゅが必要だ。


新型コロナが蔓延する中、「きゃりーぱみゅぱみゅ」が唯一できること


──本来であれば今はツアーなどのスケジュールが入っていた時期だと思うのですが、空いた時間はどう過ごされていますか?

最近は、1000ピースのパズルをやりました。完成させるのに3日くらいかかるんですよ。あとは、オンラインゲームで遊んだり、友達とオンライン人狼をやったり。ZOOMでみんなの顔を見ながら、人狼のアプリを開いていて遊ぶんです。友達にも会えてないですけど、そういうふうには会えるから、やっぱりネットって便利だなと思います。でも最近はテレワークでラジオやテレビに出たり、こうやって取材もやってるので、おうちにはいるけど意外と活動もしてますね。

──ツアーの中止だけでなく、『コーチェラ』の舞台に立ってきゃりーぱみゅぱみゅとしての新たなステップを世界に発信できる機会も延期になってしまって、しかも延期された10月に開催できる確約もまだない状況で、きゃりーさんにとっては悔しさも募る期間なのではないでしょうか。

『コーチェラ』は、決まったときにまずPerfumeのメンバーへ報告したんですけど、あ〜ちゃんとかすごく喜んで泣いてくれたりもして。「私たちも『コーチェラ』に出て、やっぱり世界の壁ってすごくあるから、きっときゃりーも心折れそうになることもあると思うけど、私たちが渡したバトンだから大丈夫だよ」みたいに言ってくれて。

秋まで延期になっちゃったことも、「でもそれはきゃりーがパワーアップできる期間だから、前向きに捉えていいと思うよ」みたいに言ってくれて、友達でもあり先輩でもあるPerfumeの意見のおかげで、「ああ残念だ、やだなあ」とかだけじゃなく、前向きに思えるようになりました。
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テキスト=矢島由佳子

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