しかし、南部の海沿いの街で実施された感染拡大の防止策が、世界中の環境保護団体から批判されている。
南部の都市、カディスの近隣にあるサアラ・デ・ロス・アトゥネスと呼ばれる海辺の村では、4月26日に全長1マイルのビーチに漂白剤が散布された。地元の環境保護活動家のマリア・ドローレス・イグレシアスベニテスは、漂白剤がビーチに生息する虫や貝類などを撲滅させ、生態系を破壊すると指摘した。
現地は政府が保護鳥に指定するシロチドリの住み家となっており、漂白剤の散布がそのエコシスムを壊滅させてしまうと専門家は述べている。「砂浜は自然の力でウイルスを除去できる。漂白剤の散布などまったく必要無かったのだ」とイグレシアスベニテスは述べている。
環境保護団体のグリーンピースも、現地当局の措置を批判した。「鳥たちが繁殖期を迎えたタイミングで消毒剤を散布したことにより、海のエコシステムが破壊され、漁業や観光業に甚大なダメージが発生した」と同団体はツイートした。
当局も漂白剤の散布が誤りだったことを認めている。薬剤の散布を決定した担当者は「感染拡大の防止のために消毒剤を散布したが、これは誤った判断だった」と発言した。
現地メディアのEl Pai’sによると、スペインのアンダルシア州の地方政府はサアラ・デ・ロス・アトゥネス村に罰金を支払わせることを検討中という。