ビジネス

2020.05.09

アマゾン アレクサのシニアプロダクトマネジャーに聞いた。巣ごもり達人になれる「AIスピーカーの使い方」

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アマゾンでの社歴が長い北野氏に、これまでに在籍してきたチームとの違いを聞いてみた。

「組織もシステムも非常に多様で、いい意味で入り組んでいます。カスタマーが話しかけてからアレクサが応えるまでの過程にこんなにもたくさんのチームが関わり、技術が詰まっていることにはいまだに毎日、驚いたり感動したりしますね」

また、アレクサの開発には、外資系企業の世界的プロジェクトにしては珍しい特徴もあるという。天気や交通情報、飲食店など、日本ならではの情報を仕込むことが求められる点だ。

逆にいえば、アメリカからの直ローカライズだけでは対応できず、日本固有のインフラを整えなければならない苦労があるのだが、その分、日本がオリジナルで工夫できるカテゴリーが多い。何しろ応答が「日本語」なので、日本のチームが力を発揮できる幅も広いのだ。

アレクサは「ドラえもん」だと思う


では北野氏自身は、アレクサにどんな「夢」を託しているのだろう。


「ずっと子どもといる在宅ワークは、やっぱり大変ですね。子どもが大きくなってから振り返れば、いい思い出になっているかな」

「実はアレクサにジョインした動機も、これはみんなの生活を変えるものになるのではないかという期待からでした。昔から見た『未来』、声でいろいろなものが動いたりごはんができたり買い物ができたり、そんな『ドラえもん』のような夢の生活をアレクサで実現できたらと感じながら働くことには、夢がありますね」

生活を楽にするばかりでなく、小さな新発見を日常にもたらす「未来ツール」のひとつが、アレクサを含むVoice AIかもしれない。

Voice AIはそして、各種文化とわれわれの関わり方も大きく変えて行きそうだ。冒頭、アレクサで音楽をかけることを真っ先に勧めてくれた北野氏は、「新しいアーチストとの出会い」への希望についても、こう語ってくれた。

「コロナ下で、真っ先に奪われているもののひとつが音楽の自由ですよね。でも、今こそアレクサと一緒に、これまでに聞こうと思わなかった音楽を発見していただけたらすばらしいと思います。新しい音楽ジャンルやアーチストをこの時期たくさん知っていただきたいし、将来のライブを楽しみにできるようなアーチストとの出会いもあるといいな、と思っています」

文・構成=石井節子

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