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2020.05.09

アマゾン アレクサのシニアプロダクトマネジャーに聞いた。巣ごもり達人になれる「AIスピーカーの使い方」

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96歳のカスタマーも


子育ての助っ人、離れた両親とのコミュニケーションと、世代やライフスタイルによって使い方はさまざま考えられそうだが、「人生100年時代」、これからはとりわけ、高齢者とVoice AIの関わりも注目されそうだ。

米国では、こんな『アレクサとの暮らし』が報告されたことがあったという(リンク先の米アマゾン ブログから、96歳のメアリーさんがダンスしている様子を実際に見ていただきたい)。


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「アレクサとダンスしています」


カリフォルニア州ベイカーズフィールドに住むメアリー・フランシスさんは96歳。目が不自由だが、毎日欠かさずダンスすることを忘れない。

「アレクサは毎日、いろんなことに使っていますが、一番好きなのは、音楽をかけてもらってダンスをすること。そうすると、また目が見えるようになったみたいに感じるわ。アレクサに大好きなブルースをかけてもらえばあっという間に何十年も前に戻れるし、昔のことを本当にたくさん思い出せます。おまけにアレクサはジョークも言うし、世界中の土地の今の天気も教えてくれます。それから、もうあまり外出はできないので、日曜日には礼拝の音楽をかけてとお願いして、聖書を読んでもらうの。教会にいるような気分になれるわ」

筆者も友人から、「先週、両親の家にアレクサを設置に行ったよ」などと聞くことが珍しくなくなった。アレクサなどのVoice AIが、高齢者家庭の定番的なインフラになる日も近いのかもしれない。

おせっかいアレクサとサラリーマンの日常


実は今、YouTubeで「おせっかいアレクサとサラリーマンの日常」がすごい人気だ。初回、第2回は186万回、157万回視聴され、現在までに29回と総集編が何回か公開されているが、いずれも30万〜50万回視聴されている「ブーム」ぶりだ。



番組内では、持ち主とアレクサとの以下のような対話が披露されていく。

持ち主:アレクサ、自粛期間中で暇なんやけど、なんかいい暇つぶしないかな

アレクサ:
そうですね。色々と考えてみましたが、ただ娯楽を楽しむなどではなく、自己研鑽時間にあててみてはいかがでしょう?

持ち主:アレクサ、暖房をつけて

アレクサ:
……暖房はつけませんがいい感じの曲をかけます(「テクノロジー〜♪」と、オリジナルの曲を歌い始める)

もちろんこれらが、出荷時には設定されていない、この持ち主が仕込んだカスタマイズ応答であることはいうまでもない。ここまで自在に使えれば超上級だが、将来のレベルアップのためには、こんな練達のカスタマーの楽しみ方を参考にしてみてもいいかもしれない。

また2017年の発売当時は、Google Home、LINEクローバとならべて同じ呼びかけをし、応答の違いから「性格差」「キャラの特徴」についてイラスト化した以下の投稿も人気を博した。



これらの例のように、AIスピーカーの「擬人化」機能を楽しんでいる上級カスタマーも少なくないようだ。
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文・構成=石井節子

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