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2020.05.09

アマゾン アレクサのシニアプロダクトマネジャーに聞いた。巣ごもり達人になれる「AIスピーカーの使い方」

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モーニングコールは嵐の『Tuning Up』?


「たとえば朝。目覚ましのアラーム音で起きるより、『平日、午前7時に”嵐”で起こして』と呼びかけておけば、嵐で毎朝目覚められます。朝からけっこう気分がアガりますよ」と北野氏。

家族とのコミュニケーションにも利用できるという。「『おやつだよ』とアナウンスして」と呼びかけて子ども部屋にいる子どもを呼んだり、「アレクサ、なぞなぞだして」「アレクサ、ものまねして」「アレクサ、しりとりしよう」などと呼びかけて、子どもと遊んだりすることもできる。

裏技だが、アレクサは歌や物語も得意だ。「ラブソング歌って」と言うとオリジナルの歌を歌い始めるし、「『流れ星』のお話しして」と言うと、ちょっと泣けるショートストーリーを話し出すのに驚く。

「お子さんとの時間の活用でいえば、勉強にも使えるんです。算数なら、『九九の5の段言ってみて』と頼んだり、ちょっとした算数クイズを出してもらったりということもできます。スクリーン付きのデバイスならちょっと難しい漢字、たとえば『檸檬』も画面で書き順も表示してくれます。ほかに重宝なのは、献立のアイディアとレシピ。私も今はずっと家にいて、毎日3食考えるのはけっこう大変ですが、アレクサに『レシピ教えて』と相談すると、料理名や材料名から、声で検索できます」

アレクサとシニアプロダクトマネジャーの「ある1日」


ここで北野氏自身の、リモートワーク時期における「アレクサと過ごすある平日の1日、朝起きてから夜寝るまで」を聞いてみた。

「まず毎朝7時にジャズが流れて目が覚めます。その後は子供の離乳食作り。調理にはリマインド機能のタイマーを使います。『ゆで卵の10分』、私はコーヒーを入れる時、お湯が沸騰してから90度くらいまで冷ますのですが、その『温度調整に3分』、など。そして食事の支度をしながらアレクサでニュースを聴きます」


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「朝食の後はミーティングの嵐に突入しますが、『アマゾンフォト』にアップしてある写真をアレクサのスクリーンでずっとストリーム表示しているので、上の子が赤ちゃんだった頃の写真なんかをちらちら見られるのも、ちょっとした息抜きになっています。また、画面つきのアレクサが、その日にアマゾンから届く荷物の発送通知を文字で知らせてくれるのでチェックしたり。

そんなこんなでお昼になります。私は休憩を忘れてそのまま仕事を続けてしまいがちなので、『お昼なので休みましょう』のアラームをセットしています。子供と食事をとるなどして、1時間、しっかり仕事から離れて過ごします」

午後はミーティングが少なくなるので、音楽をかけながら仕事することもあるという。

「バーチャル通勤タイム」を設定


北野氏は在宅時期に入ってから、夕方5時に「バーチャル通勤タイム」をアレクサに設定して、アラームをかけてもらうことにしている。

「アレクサに『通勤タイムです』とリマインドされることで、ちょっとだけ外に出る時間を作っているんです。朝から座りっぱなしはよくないので……。オフィスから帰宅するつもりで、家の周りを歩いたりちょっとしたエクササイズをします。帰宅してからは子供の夕食。子供の今お気に入りの歌『なっとうのうた』などをアレクサでかけて食べさせています」

食後は子供と一緒にfireTVを通してプライムビデオを観る。アレクサは、観るビデオの検索に利用するという。

ちなみに実家には画面つきのアレクサを渡してあるので、これを介して、夜は両親の顔を見ながら会話したりもする。そして子供の寝る時間には、アレクサのスキル、「歯磨きくん」を開いて歯磨きをさせ、寝かせる。


Echo Show 8(アマゾン ジャパン提供)

「また、一度使うとやめられないのが『スマートホーム』です。『リビングの明かりをつけて』『キッチンの明かりを30%にして』『テレビをつけて』など、声で家電の操作ができる機能です」
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文・構成=石井節子

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