あなたの師匠、教えてください【世界を変える30歳未満】後編 #新しい師弟関係

新型コロナウイルスの影響で、人との物理的な距離感、コミュニケーションの仕方が変わるなか、「いかに人間関係を育むか」は、この先の大きな論点のひとつだろう。 4月25日発売のフォーブス ジャパン6月号では「新しい師弟関係」に焦点を当て、全55組の師弟を紹介している。本誌では、フォーブスコミュニティに所属する起業家らを対象にアンケート調査も実施。新しいリーダーたちの答えから、いまどきの師弟の形が見えてくる!


UNDER 30「世界を変える30歳未満」編

各界で活躍する30歳未満のイノベーターを表彰する、Forbesの名物企画「30 UNDER 30」。日本でも2018年からアワードを開催し、「世界を変える30歳未満」30人を選出している。次代を担う新世代にとって、師の存在とは?これまでの受賞者たちに聞いた。
〈共通質問〉
1. あなたが「師匠」「メンター」とする人物は誰ですか?
2. その人とはどのような関係ですか?
3. なぜその人のことを師と仰ぐのか、理由を教えてください。
4. その人から何を学び、どのような影響を受けていますか?

野口卓也(バルクオム 代表取締役CEO)

のぐち・たくや◎1989年生まれ。ITベンチャー等複数の企業を立ち上げ、2013年にTSUMO・JP株式会社BULK HOMME事業部を発足。17年、株式会社バルクオムを設立。

「やりきる胆力」学び取りたい
1. 化粧品のOEM生産を手がけるサティス製薬の山崎智士社長です。
2. メンズスキンケアブランド「BULK HOMME」開発当時からのパートナー企業であり、株主としてもお世話になっております。
3. 業界の大先輩であるだけでなく、圧倒的な経営経験と実績、どんなことでも相談できる器をお持ちだからです。
4. 清濁併せ呑んでやりきる胆力、自己犠牲的な仲間への献身など、日々たくさんのことを学び取っています。

伊藤光平(GoSWAB 代表)

いとう・こうへい◎1996年生まれ。2016年、都市に生息する微生物を調査し、人とのかかわりを解明する学生プロジェクト「GoSWAB」を立ち上げる。18年にU30受賞。

高校生でも対等に接し、全力で指導してくれた
1. メタジェン執行役員COOで、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特任助教の村上慎之介さん。
2. 高校時代に3年間研究指導してくれた大学院生(当時)で、現在も親交があります。
3. 高校生である僕に、サイエンスの実験や解析など実務的なことだけでなく、取り組む姿勢までも教えてくれました。研究の知識が何もなかった僕に対等に接してくれたのです。彼は僕の行動に対して怒りも褒めもしませんでした。ましてや研究の方向性を押し付けることもしません。しかし、僕が研究で悩んでいるときは選択肢をくれて、ともに考えてくれました。毎日研究室に来ることを強要せず、来たときは全力で指導や相談に乗ってくれました。
4. 彼から学んだことはサイエンスのみならず、人間関係を円滑にするコツです。ヒトは対等だと認識している相手を怒ったり褒めたりしません。彼はずっと僕のことをサイエンスに取り組む一人の人間として対等に見てくれていました。また、研究を進めることを一切強要しませんでした。これは、僕の研究は僕の課題であると認識していたからと考えます。「他人と自分の課題を切り分けて考える」こと、この思考はとても大切だと学びました。他人の問題に踏み込まず、「助けを求められた場合は援助する」という行動をとってくれました。

安田クリスチーナ(InternetBar.org Institute ディレクター)

やすだ・くりすちーな◎1995年生まれ。2016年、デジタル技術を活用した途上国支援を行う米NGO「InternetBar.org」ディレクター就任。19年よりマイクロソフト勤務。同年、U30受賞。

重要な局面、気がつけば電話を
1,2. 父親。
3. 私を私としてジャッジすることなく受け入れてくれて、私にとって最良のアドバイスを常にしてくれます。
4. 失敗からの立ち直り方、ビジネスの駆け引きの仕方、人間関係の築き方など、人生の重要な局面に差し当たったときにはいつの間にかお父さんに電話している自分がいます。なんとかなるんだ、なんとかするんだと前に進むモチベーションをもらっています。

加藤勇志郎(キャディ 代表取締役CEO)

かとう・ゆうしろう◎1991年生まれ。2014年、マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。17年、日本のモノづくりをテクノロジーで変革するキャディを創業。19年にU30受賞。

2人の先輩経営者がよき相談相手
1. ラクスルCEO松本恭攝さんと楽天メディカル社長の虎石貴さん。
2. 虎石さんは前職マッキンゼー時代の上司で、当時はパートナー。
3. 松本さんは伝統産業×テクノロジーという領域におけるリーディングプレイヤーだから。虎石さんにはマッキンゼー1〜2年目からロールを2〜3段階引き上げられ、圧倒的に成長できた。
4. 松本さんには今後起こる組織課題や事業課題の相談、虎石さんには年1回程度だが経営面のメンタリングを。

全アンケート結果は、発売中のフォーブス ジャパン2020年6月号でご覧いただけます。6月号ではそのほか、マネーフォワードCEO辻庸介、マクアケ代表取締役社長の中山亮太郎、作家の辻仁成から政治家野田聖子まで、全55組の師弟関係を一挙公開! ご購入はこちらから。

この記事は 「Forbes JAPAN 6月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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