クラシカルな優雅さと現代性をあわせもつティアラ──ショーメ

ショーメ「Les Ciels de Chaumet」

CHAUMET──Les Ciels de Chaumet

希少な宝石を惜しみなく使い、職人たちの超絶技巧で、独創性豊かにデザインされたマスターピース。美術品クラスにまで高められたその美しさに、資産家たちの熱い視線が向けられている。流行に左右されず、世代を超えて受け継がれる超級ハイジュエリーの最前線に迫る。

本記事では本誌2月号で掲載された、「ハイジュエリー特集」より、ショーメ「Les Ciels de Chaumet」をご紹介。


ショーメの創業者、マリ=エティエンヌ・ニトは、マリー・アントワネットのお抱え宝石商のもとで修業し、やがて独立してナポレオン1世に重用された。創業は1780年。ニトの息子が1812年に店を構えたのは、現在はかのリッツ パリがあるヴァンドーム広場15番地だ。それほどの老舗だけに、アーカイブには重要な歴史的資料が残されている。それらのなかから創業以来何度も取り上げられてきた主題「天空」にいま再び焦点を当てたのが、2019年のハイジュエリーコレクション「レ シエル ドゥ ショーメ」〜ショーメの天空〜なのだ。

古くはナポレオン1世の皇妃たちのためにティアラを制作し、現在もティアラのオーソリティといわれているショーメ。「ソレイユ グロリュー」と名づけられた新作にはイエローダイヤモンドが輝き、ロッククリスタル(水晶)が太陽光のフレアのようなエフェクトを演出している。また、注目すべきはフィル クトー(ナイフエッジ)と呼ばれる技法だ。ナイフの刃のように薄い線状にしたホワイトゴールドのラインが光の放射を描き出しているため、繊細で軽やかな印象を与えている。クラシカルな優雅さと現代性をあわせもつデザインが何とも美しい。

注目ポイント

センターのイエローダイヤモンドは太陽をイメージしたもの。フィル クトーと呼ばれる伝統技法で薄い線状にされたホワイトゴールドの台座は、正面から見るとほとんど存在感を消してしまうため、光の矢のようなモチーフがあたかも宙に浮かんでいるように見える。

DESCRIPTION

素材:18K WG、YG、イエローダイヤモンド、ダイヤモンド、ロッククリスタル
価格:7510万円(参考価格)
問い合わせ:ショーメ(03-5635-7057)

text and edit by Keiko Homma

この記事は 「Forbes JAPAN 2月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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