テキサス州ダラスに建設される計画のマンションでは、26階建てのビルの側面に北米最大の緑のカーテンがつくられると報道されている。完成予想図によれば、この新築ビルには推定4万本の植物が植えられるという。そのほとんどは、同地の極端な気温によく耐えられる常緑植物だ。
この緑のカーテンを可能にするのが、モノのインターネット(IoT)技術だ。土壌の健康、水分量、日光の当たり具合を測定するセンサーがアプリにデータを送り、それをもとに造園チームがカーテン全体をモニタリングすることで、植物が弱りはじめる前に、なんらかの手入れが必要かどうかを判断できる仕組みだ。
このプロジェクトを手がけるラステガー・プロパティ(Rastegar Property)社と「緑のカーテン」イノベーターのZaubenのチームは、これにより、年間で二酸化炭素1600ポンド(約726kg)を吸収し、酸素1200ポンド(約544kg)を生み出せると見積もっている。火山岩からつくられたミネラルウールと呼ばれる土壌が、従来よりも大幅に少ない水で、植物の健康を維持できる。
一方、カタルーニャ工科大学バルセロナ土木工学部の研究者らは、「生きたコンクリート」の構想を描いている。建築材としてだけでなく、コケ、微小藻類、地衣類が生息する培養基としても使えるコンクリートだ。
「生体受容性コンクリート」とも呼ばれるこの建築材は、多層構造になっている。まずは、建築物の基礎となる層がある。その次に来るのが、外側の層から水分がコンクリートに浸み込むのを防ぐ防水層だ。その上に、植物が育つ生物層がある。最後にコーティング材が重ねられる。このコーティング材は、雨水は通すが、入った水は出ていかない「逆防水」設計になっているため、生物層にじゅうぶんな水が保たれる。