そんななか、各プロスポーツがゲーム企業と手を組み、「仮想世界」を利用することで、人気維持や新たなビジネス創出を図ろうとさまざまな取り組みを始めている。
人気野球ゲーム「MLB The Show」は、米メジャーリーグ30球団に所属する選手たちが実際に参加するゲーム大会を開催している。選手たちは自分の所属チームを使い、3週間にわたり他選手たちとリーグ戦を行う。最終的に上位8名がトーナメント戦を行い、優勝者には2万5000ドルが贈呈される。なおこの大会はユーチューブなどを通じて放送されていたが、ESPN、FS1、MLBネットワークなどスポーツ専門チャンネルでも放送が決定したという。
メジャーリーグと関連では、球団運営シミュレーションゲーム「Out of the Park BaseBall21」(OOTP21)も注目を浴びている。メジャー専門のデータ統計サイト「ベースボール・リファレンス」が、選手・チームのデータやAIを利用し、OOTP21でシーズンをシミュレーション。その結果を毎日アップデートしている。ちなみに、「負傷」などを予測できる技術もあるそうだが、現在のところ倫理的な理由から使用は控えているようだ。
メジャーの他にも、中止となってしまったプロテニスツアー「マドリード・オープン2020」は、ゲームを使ったチャリティーイベント「Mutua Madrid Open Virtual Pro」を開催した。錦織圭やラファエル・ナダル、ドミニク・ティームなどのトッププレイヤーが参加したことで世界的に話題となった。
韓国ではプロサッカー連盟とゲーム開発大手のネクソンが手を組み、本物の実況アナウンサーを動員した開幕戦シミュレーションや、球団選手たちが競うトーナメント戦が行われている。