この機能は、インスタグラムの機能などをまねたものだ。インスタグラムでは、インフルエンサーやブランドが投稿の中で、衣類や家具などのアイテムにタグ付けし、その商品が販売されているウェブサイトにリンクさせることができる。インスタグラムはショッピング機能の強化に力を入れており、2019年には一部の小売業者で、ユーザーが購入したものをアプリ内で決済できるようにした。
さらに、「LikeToKnow.It」 などのソーシャルショッピングアプリも、セレブやインフルエンサーが身につけたアイテムを購入できる機能を提供している。しかし、そのいずれも、古着の購入には対応していない。古着は、アパレル市場全体の21倍のペースで急成長を遂げている分野だ。
PoshmarkのシャンドラCEO(52歳)は、「実店舗の小売りは、この状況下で苦しい立場にある」と話す。「人々の意識は、さまざまな意味でオンラインに向かっている」
シャンドラCEOは、動画機能の導入が、6000万人の登録ユーザーにおけるエンゲージメントと売り上げを伸ばすと期待している。ユーザーがPoshmarkのアプリを利用する時間は1日平均23~27分だが、購入量は一般にサービスの利用時間に比例することから、Poshmarkはこの動画機能が、買い手と売り手のあいだにより良い関係を築き、同社プラットフォームを活性化する効果を発揮すると期待している。
Poshmarkには、毎週1億7500万ドル相当の品物がアップロードされている(同社は、自社で在庫を抱えず、ユーザー間で直接アイテムを売買させるシステムをとっている)。
長引く店舗閉鎖と、忍び寄る景気後退によって人々が自由に使える支出が減ることで、多くの小売業者が苦境にあえぐなか、Poshmarkのビジネスはいたって安定しているとシャンドラCEOは話す。クローゼットを整理したついでに副収入を得ようと、あるいはそれを主収入にしようとして、Poshmarkの新たなセラーになる人が増えているのだ。
それより大きな課題は需要だ。Poshmarkの売り上げはアパレル産業の売り上げと連動しているが、米商務省のデータによると、3月のアパレル売り上げは、米国全体で52%も下落している。シャンドラCEOは具体的な数字を明かさなかったが、当初は需要が落ち込んだものの現在は持ち直しているという。
「この危機が始まった当初は心配したが、どうやらバランスを取り戻したようだ」とシャンドラCEOは述べている。