中国でも苦戦のファーウェイが熱望する「5G時代」の到来

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5G端末で挽回できるか?


ファーウェイは自社製の地図アプリなどを開発し、グーグルの穴を埋め合わせようとしている。しかし、現時点ではまだその試みは成功しておらず、海外ユーザーへのアピール度は低いのが現実だ。

「ファーウェイはまだ、海外市場をあきらめてはいないが、状況はかなり厳しい」と、ガートナーのLuは述べた。「ファーウェイがグーグルに代わるサービスとしてリリースしたHMS(ファーウェイ・モバイル・サービス)は魅力に乏しい」

ただし、ファーウェイが望みを託せるカテゴリが次世代の通信規格の5Gだ。5Gはモバイルの通信速度を飛躍的に高め、複数のデバイスを接続可能にする。

ファーウェイは5Gに膨大な投資を行っており、CEOの任正非もWSJのインタビューで、「5G分野への投資額を2019年の150億ドルから、今年は200億ドル以上に伸ばす」と宣言していた。

今年の第3四半期から第4四半期にかけて、新規の5G端末がリリースされることにより、スマホ市場はやや拡大することが予想される。そしてファーウェイも、その追い風を受けることになりそうだ。

「5G端末の価格は、ミッドレンジからハイエンドの設定になる。自社製の5Gチップを開発済みのファーウェイは、この市場において優位なポジションに立てるはずだ」とカナリスのJiaは話した。

編集=上田裕資

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