研究の著者らは「手を乾かす方法により、対象者の手や体の残留細菌汚染には明確な違いがあった」と述べ、「こうした汚染度の違いにより、ペーパータオルを使ったときと比べてハンドドライヤーを使ったときの方が、手や体を通してトイレの外まで細菌感染が広がるレベルが大幅に上がる」と説明した。
さらに、一部のハンドドライヤーは湿気を空気中に広げるため、それとともにウイルス粒子や細菌が飛び、トイレ内で付近にいる人の周囲の空気が汚染されることが予想できる。
私たちが理想的な世界に住んでいて、トイレの利用者が正しく手を洗っていたとすれば、どちらの乾かし方でも汚染水準は非常に低くなるはずだが、現在の私たちの暮らしを考えればより現実的に考える必要性があることが十分理解できるだろう。多くの人は普段から十分に手を洗っておらず、それはパンデミックにもかかわらず今後も変わらないはずだ。そのため、乾燥方法が重要になるのだ。
これは小規模な調査で、調査結果はトイレにおけるウイルス汚染をどのように制御するかをより深く理解する最初のステップと考えるべきで、決定的なものではない。しかし、このような圧倒的な結果が出た限りは、ウイルスが人を通して伝わるこの方法を抑えるべく、手の乾かし方をさらに詳しく見なければならない。
著者らは「私たちの調査結果は、世界中に急速に広がっている新型コロナウイルスを制御する上で実質的価値があると信じている」と語り、「ウイルス汚染と拡散のリスクが減るように、手を乾かす上で好ましい方法はペーパータオルとすべきだ」と結論づけた。