緑豊かな環境が、成人後のメンタルヘルスに及ぼす影響

幼少期に緑地に多く接触すると、成人期におけるメンタルヘルスへのリスクが低下 (GettyImages)


都会のジャングル


こうした関連性について、本調査ではその理由を立証するには至っていません。しかし、緑豊かな環境で育った子どもの間で、メンタルヘルスと認知発達がより良好な結果を示した研究は、このほかにも存在しており、研究者は今回の調査結果がこれに一致するものだとしています。

「こうした所見は、メンタルヘルスの重要な環境的リスクファクターとして都市環境を理解するのに有用です。またこれらの所見は、健康的な都市環境、例えば学校制度など幼少期の生活に影響する制度とプログラムを考案する際に、指針となるものです」と研究者は述べています。

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図が示しているとおり、デンマークでは都市部に居住する人口の割合が高く、その比率は時の経過とともに着実に上昇しています。2017年には、都市部を生活拠点とするデンマーク人は、87%を上回りました。

都市化はデンマークに限った現象ではなく、田舎から都市部への人の移動という、グローバルに広くみられるトレンドのひとつといえます。現在、世界人口の半数が都市を住処としており、2050年にはこの数値が68%に上昇すると国連は予測しています。

都市は、新たな居住者を受け入れるため急速に拡大を続けており、その結果、緑地が減少する可能性は常にあります。しかし、都市部の人口が増加し、都会生活のストレスと緊張が増大するにつれ、私たちは従来にも増して多くの緑地を必要とすることになるでしょう。

(この記事は、世界経済フォーラムのAgendaから転載したものです)

連載:世界が直面する課題の解決方法 
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文=Johnny Wood, Senior Writer, Formative Content

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