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感染から発症するまでの期間を考慮し、4月4日から19日までの2週間の不要不急の外出を控えることや、3密の徹底的な回避要請、県直営施設の完全休館等に加え、注目すべきは、翌日から県職員の半分程度を在宅勤務とするという指示が出されたことだ。

突然のことで職員は大慌てだったが、前日の対話で知事の本気度を肌で感じていた私は、内心「知事、すごい」と思っていた。その発令がその日にできたということは、事前に内容を固めるための組織的な動きを行っていたということなのだから。

県庁が率先して進めるということは、感染が広がりつつあるのに欧米のように自粛できない県内の中小企業に向けての在宅勤務を促す強いメッセージともなった。心ない批判もあったが、歓迎の声も多々あった。隣県からは「岐阜県民がうらやましい」との声もでた。この時点での感染者は36人だった。

「緊急」ではなく「非常」事態宣言



岐阜県の古田肇知事

この後、感染者数が爆発的に拡大したが、それは3月下旬に岐阜市内の夜の街に繰り出したグループが発症し、新たにクラスター化したことが主な要因だった。たった1店舗の発生から、健全に営業を続けていた商店街のほぼ全店舗が休業しなければならないことになってしまった。そんな状況等を踏まえ、1週間後の4月10日、知事はより厳しい内容の「非常事態宣言」を発表した。これが政府による「緊急事態宣言」と異なるものであることを知っている人は意外に少ない。

「緊急」と「非常」の違いがどこにあるのか? 思い出してほしい。政府が緊急事態宣言を発令したのが4月7日。その際の対象地域となったのは東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県だけ。愛知県などが対象に入らなかったことで話題になっていたが、その3日後に岐阜県が出したのが「非常」事態宣言だった。

それまでの内容を抜本的に見直し、検査の徹底や病床の確保、事業者の資金繰り支援のための制度融資や補助金の創設などを新たに盛り込んだ。政府による緊急事態宣言とは異なる独自の総合対策で、政府に対して特措法の対象地域に追加することを求めてはおらず、特措法の宣言と誤解しないように「非常事態」と呼ぶこととしたとのことだった。

発表から4日後の産経新聞の夕刊コラムでは、「緊急とは『重大で即座に対応しなければならないこと』、非常は『普通でない差し迫った状態、変事』のこと」とし、「岐阜県が出した「非常事態宣言」の結果に注目したい」と紹介されている。コラムの筆者も述べていたが、私も、「緊急」では、住民の当事者意識が芽生えづらいのではないかと感じていた。

文=古田菜穂子

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