ロシアが逮捕したカード詐欺の親玉、40以上のサイトを運営

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ダークウェブや地下フォーラムにおいては、膨大な数の盗まれたクレジットカード情報が流通している。これらのカード情報を用いた詐欺で、毎年、数十億ドルもの被害が発生している。

しかし、ロシア当局は先日、詐欺集団に巨大なダメージを与えた。ロシア連邦保安庁(FSB)は、カード詐欺の大物で20数件の犯罪に関わった人物を逮捕したのだ。

FSBは詐欺犯の名前を明かしていないが、セキュリティ専門家のBrian Krebsはブログで、この詐欺犯がAlexey Stroganovと呼ばれる人物であると指摘した。Stroganovは過去20年近くの間、FlintやFlint24というハンドルネームで活動を続けてきたという。

彼は40以上もの不正カード情報サイトを運営していたとされており、それらのサイトは現在、オペレーションを閉じている。匿名の米国の司法関係者がKrebsに明かしたところによると、Stroganovはこれまで発生した大規模なクレジットカード盗難事件のほぼ全てに関わりを持っていたという。

Stroganovが率いる犯罪組織は、西側の大手Eコマースサイトからカード情報を盗み出し、盗み取った金をロシアの仮想通貨取引所BTC-Eに送金していた模様だ。

BTC-Eは犯罪者がマネーロンダリングに用いる取引所として知られ、2017年には米国の当局により摘発された。2014年に経営破綻したマウントゴックスから奪われた仮想通貨のロンダリングにも、BTC-Eが用いられていたとされている。

Stroganovは以前にもロシアで6年間の刑を言い渡されたが、2年間服役した後に釈放されていた。今回の刑罰はより厳しいものになる可能性が高い。

ロシアのFSBがStroganovを逮捕したことは、彼がロシアにおけるサイバー犯罪者のルールを破ってしまったことを示している。それは、ロシア国民をターゲットにしてはならないというルールだ。

ロシアの当局は、自国の犯罪者が他の国民をターゲットに犯罪を行うことに関して、目をつぶる傾向があるが、ロシア人を標的にした場合は断固たる措置をとる場合が多い。

編集=上田裕資

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