3. 商標登録されている名前
米国では、商標登録された名前は50州全てで保護される。「自分の企業は小さな地元企業なので、名前が他の企業と似ていたとしても問題ない」と思う人は、考え直そう。他の企業が既にその名前を登録していれば、自分の業界で名前を商標登録することはできない。既に商標登録されている名前を使えば、停止通告書を受け取り、社名変更を強いられるかもしれない。
デンバーの屋根工事会社スカイガード(Skyyguard)のショーン・スミスとチェース・バロンの経験が良い例だ。スカイガードは現在、スカイウォッカ(SKYY Vodka)との裁判沙汰に巻き込まれている。
バロンによると、スカイウォッカ側は、スカイガードが会社名を商標登録することで、同社のブランドが弱まると主張。しかしスカイガードは、2018年から既にこの名前で事業を行ってきている。バロンは「ただ名前を変えればよいということではない。ブランドとして構築した2年分の価値を失う可能性がある」と述べている。
会社に名前をつけるときは、既に商標法で守られている企業名を選ばないようにすること。この選択は非常に高くつくかもしれない。
4. 実質的なメリットがない名前
会社名を変えた方がよい場合もあるが、企業の中には、筋の通らない理由でブランド名の変更を決めるものもある。そのブランドに飽きた、あるいは暗礁に乗り上げた事業を立て直すためにブランド名を再考したい、といった理由は十分ではない。
コネチカット州最大の空港、ブラッドリー国際空港がその例だ。一部の役員は空港名を「コネチカット国際空港」に変えたいと思っていたが、空港当局が行った調査ではそのメリットは示されなかった。
当局の調査では、過去に名前を変えた空港では利用者が増加しなかったことが分かった。そのため、空港は当面、「ブラッドリー国際空港」の名前を保持することになった。名前変更にメリットがないのであれば、改名の誘惑に負けてはいけない。
5. 制約がある名前
素晴らしい社名は成長の余地がある一方で、焦点を絞った名前は事業拡大の可能性を狭める。その一例がテスラだ。同社は将来を見越し、社名を「テスラ・モーターズ」から「テスラ」に変えた。英ロイター通信によると、テスラは会社を電気自動車メーカーから多様なエネルギー製品企業へ変えることを目指していた。
認識とは強力なものだ。あなたの企業に限界があると感じた顧客は、自分が苦労して稼いだ金をベンチャーに投資したくないと思うかもしれないし、さらにはあなたの企業がその社名で示唆する限定的分野の他にもサービスや商品を提供していることなど考えもしないかもれない。会社に名前をつけるときには、長期的な視点で考えること。
会社の命名は時に難しい。ここに挙げた5つの過ちを避けることで、時間がたっても使われ続け、長期的に会社にメリットをもたらす社名を選べるだろう。