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新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で苦境が深まる米小売業界で、「必要不可欠な」事業者とそうでない事業者の明暗が分かれている。全米小売業協会(NRF)のチーフエコノミスト、ジャック・クラインヘンツは最近、「COVID-19(新型コロナウイルス感染症)による小売業界への打撃には偏りがある」と指摘した。

クラインヘンツによると、市場は「持てる者」と「持たざる者」に二分化されている。営業継続を認められ、生活必需品を求める客が入り口に行列をつくっている店と、休業を余儀なくされ、パンデミックの影響をもろに受けている店のことだ。

米小売業界が置かれている状況を示す4つの数字を見ていこう。

8.7%


米国勢調査局の統計によれば、国内の小売売上高は2月の5290億ドル(約56兆8000億円)から3月の4380億ドル(約47兆円)と、1か月で8.7%減少した。NRFによると1か月の減少幅としては過去最大で、金融危機のさなかの2008年11月に記録した4.3%減をはるかに上回る落ち込みになった。

10億ドル


規制当局への届け出によると、米衣料チェーン大手ギャップは2月以降に手元資金が10億ドル(約1070億円)減った。ギャップは4月23日、月額で1億1500万ドル(約123億円)に上る店舗賃料の支払いを停止すると発表した。同社はこれまでに、幹部の報酬をカットしたほか、従業員数万人を一時帰休にしてもいる。

10万店


スイスの金融大手UBSのアナリストの予想では、新型コロナウイルスの影響で米国では2025年までに小売店10万店が閉鎖される。このウイルス禍は電子商取引(EC)には追い風になる一方、衣料や家電、家具、食品雑貨などの実店舗はその影響をもろにかぶる公算が大きい。

1万9000人


ビジネス向け交流サイト(SNS)大手の米リンクトインの調べによると、米スーパーマーケット大手クローガーは現在、通常の2.5倍超となる約1万9000人を募集している。この数字は、多くの店舗が窮地に立たされる半面、スーパーのような「必要不可欠」な小売店のビジネスは、オンライン注文の急増などによって伸びていることを裏づけるものだ。

リンクトインによると、必要不可欠な小売店への3月の求人応募数は全米で前月から88%急増している。

編集=江戸伸禎

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