実は筆者にとってのささやかな喜びは、全国各地のお取り寄せと、そして、一日の最後に聴く小曽根真氏のオンラインライブコンサートだ。「Welcome to our living room!」。小曽根氏のひと言ではじまるライブは、ときに小曽根氏の飼い猫の飛び入り参加あり、当日お誕生日を迎えた視聴者にバースデーソングをプレゼントしてくれるなど非常にアットホームなもの。視聴者数は日々増え続け、今では6000人を超えるほどに。
みんな、小曽根氏のピアノの音色を心のよりどころにしているのではないだろうか。私事で恐縮だが、実は筆者はこの3月、小曽根氏のコンサートに小学生1年生の娘と行く予定だった。小学生以上参加可のこのコンサートが筆者の住む街で年1回開催されているのを知ったのは、娘が5歳の頃。彼女の小学校入学年を指折り数えて待ち、昨年秋、とうとうチケットを手にしたが、コンサートは新型コロナのため中止となった。
小曽根氏のオンラインライブがはじまったのはちょうどそのような頃だったのだ。演奏を聴きながら思わず涙が出たし、このライブを聴いている世界中の人たちの今の状況にも思い至らざるをえなかった。
では、たとえばアメリカの現状はどうなのか? 「ポストシリコンバレー」といわれるシリコンビーチ在住の日本人投資家・世野いっせい氏に聞いてみた。
シリコンビーチはロサンゼルス国際空港にほど近い場所にある一画で、GoogleやYouTube、Facebook、hulu、テスラ、スナップチャットをはじめ、名だたる企業が存在する。スタートアップの聖地としても注目を浴びつつある、非常に活気のある場所である。
シリコンビーチ風景(Getty Images)
カリフォルニア州のGDPは英国のGDPを抜いた
「シリコンビーチに関して言えば、たしかにいつも人でごった返しているスタバは閉まっているし、いつも満員のジムには誰もいません。が、IT系の人たちの生活自体はさほど変化がないようです。もともとリモートワーク中心だったから、生活リズムはたいした変わりはありません。
家でネットを見る人が増えたこともあって、むしろ仕事が忙しくなった、ゆっくり休んでいる暇もない、と言っていますね。収入がアップしたという人もいます。実はシリコンバレーやシリコンビーチのあるカリフォルニア州のGDPは、アメリカ50州でナンバーワン。しかも一州でイギリス一国に匹敵します。
アメリカ全体の話で言えば、CNNやニューヨークタイムズは反トランプ派なので、それらの報道だけを見ていると『トランプ大統領の支持率が低下した』などネガティブなイメージを抱きがち。ですが、私の肌感覚から言えば、今回の件に関するトランプ大統領の評価は総じて高いように思います。初動は決して早いとは言えなかったが、ロックダウン後の行動がすばやかった」