・安全性と有効性が確認されたCOVID-19の治療薬はある?
これも、現時点ではない。ガイドラインには、クロロキンやヒドロキシクロロキン(抗マラリア薬)、レムデシビル(抗ウイルス薬)、IL-6阻害薬(関節リウマチなどの治療薬:サリルマブ、シルツキシマブ、トシリズマブなど)、IL-1 阻害薬(抗リウマチ薬:アナキンラなど)をはじめ、検討中のさまざまな薬や免疫療法のリストが記載されている。
だが、委員会は、「COVID-19の治療に使えるものとして推奨すべきか否かを判断するのに十分な臨床データがない」と結論付けている。感染し、回復した患者の血液を利用する高度免疫グロブリン製剤や回復期血漿についても、同様の見解だ。
委員会はまた、ヒドロキシクロロキンと抗生物質のアジスロマイシンを組み合わせて使った場合に起きる不整脈などの副作用について警告している。ロピナビル/リトナビル配合剤やプロテアーゼ阻害剤などの抗HIV薬については、臨床試験で効果がなかったとして、「使用を勧めない」と述べている。
・ガイドラインは更新される?
その可能性はある。より多くの科学研究が行われ、データが公表されれば、一部の提言が変更されることが考えられる。