Photo by Álvaro Calvo / Getty Images

2020年3月は、欧米諸国が様変わりした月として知られるようになるだろう。世界は3月初めの時点では、中国や東アジアの一部を除き比較的正常だったが、3月末までには欧米諸国、いや世界全体が隔離状態に置かれた。

新型コロナウイルス感染症のまん延を防ぐため「社会的距離」を保ちつつ、国全体でロックダウン(都市封鎖)も行われた。こうした前例のない状況で、世界は理想論を追い求めることの代償が高過ぎるときに現れる基本的な真理に立ち返ったようだ。

そのうちの一つは化石燃料だ。世界は即座に、そして時には意識することなく石油製品を求めるようになり、二酸化炭素の排出量についてはあまり懸念の声が上がっていない。

このうち1つ目が外科手術用マスクなどの防護器具だ。最高のマスクの多くはポリプロピレンでできており、明らかに石油製品だ。新型コロナウイルスによる感染症が猛威を振るう中、効果が劣る紙マスクを使うことはほとんど、あるいは全く議論されてこなかった。

木の数が少なくなれば二酸化炭素濃度にも影響が出るが、紙が気候に与える影響は石油よりは少ないかもしれない。しかし医療従事者はほぼ例外なく、気候変動に影響を与えるかもしれない理論上の可能性よりも、自分たちの健康の方が重要だと考えた。こうした人を責めることなどできないはずだ。

他の例として、地元スーパーでのレジ袋の復活もある。新型コロナウイルスが流行する前、米国では多くのスーパーが食料品向けレジ袋の使用を停止すると発表していた。しかし、それも長くは続かなかった。

使い捨てのレジ袋の方が、家に保管されてスーパーに持ち込まれ、その間に集めた細菌やウイルスが付着している他のバッグよりももちろんはるかに清潔だということが判明したからだ。店舗では現在、化石燃料を使ったレジ袋の使用を再開しただけでなく、再利用できるバッグの持ち込みを禁止し始めている。

化石燃料の3つ目の使用方法は医薬品だ。製薬業界以外ではほとんど知られていないが、私たちが使用する調合薬の80~90%は化石燃料を基盤として作られている。外科手術用マスクと同様、石油を基盤とした薬を使って大切な人を守ることと、気候変動と闘うことを目的として大切な人に自力で病気と闘わせることの間の選択という厳しい現実に直面した場合、後者を選ぶ人は少ない。

翻訳・編集=出田静

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