新型コロナのパンデミックが引き起こす「リプライシング」

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モノやイベントが変われば、その価格も変わる。

それによって問題を抱えるのは、アーティストやスポーツ選手だけではない。音楽やスポーツなどのイベントに携わる仕事に就く多数の人も然りだ。同じことは、レストランやホテル、ほかの多くのビジネスにも言えるだろう。

そうした何もかもについて、価格が改められ、おそらくは値下がりする。

いまのところは、連邦準備制度理事会が数兆ドル規模の資金を投じ、企業が債務不履行に陥らないよう策を講じている。場合によっては納得のいく措置だ。それと同時に、その信用リスクを負うのは誰なのかという疑問も生じる。ほかの誰かが負っているリスクのために、なぜ債券保有者が報いを受けることになるのか。

その反面、高利回りのレバレッジ・ローン市場の崩壊を許してしまえば、景気がさらに悪化するのは確実だ。

同じことは株式市場にも当てはまる。

米政府は2020年4月、航空会社を救済するために数十億ドルを注ぎ込んだ。しかし、航空会社は倒産すべきだったのだ。実際、過去にその例がある。そして裁判所が、倒産した航空会社の債務を適切に処理すべきだった。ところが、今回はそうはならなかったし、もしかしたら今後も決してそうならないかもしれない。

そうだとすれば、株のバリュエーションが、株主が負っていないリスクを反映すべきであるという道理はない。

今後、状況がどのような速さで、どのように進展するかはわからない。しかし私の考えでは、資産価格は、上がるより下落する可能性のほうがはるかに高い。

世界の価格はリプライシング(再設定)されることになる。あなたもおそらくそこに巻き込まれるだろう。

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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