「Investing.com」が行った調査で、回答した投資家の大部分が、このパンデミック(世界的大流行)を絶好のチャンスと捉えていることが判明した。世界が1918年のスペイン風邪以来最悪となる公衆衛生の危機に瀕しているにもかかわらず、株式相場が上昇しているのは、こうした投資家心理が一因と考えられる。
今回の調査で、「今回の新型コロナウイルスのパンデミックを投資の好機だと思うか」との質問に対し、回答者のうち77%が「そう思う」と答えた。また、回答者の70%が、今回のパンデミックがもたらす影響は、2008年から2009年にかけて起きたリーマンショック後の世界金融危機よりも大きくなるとの見方を示した。一方で、これが収益面ではさらに大きなチャンスになると考える投資家も、回答者の60%を占めた。
Investing.comの上級市場アナリスト、ジェシー・コーエン(Jesse Cohen)はこの結果について、以下のようにコメントした。「投資家は、ボラティリティ(変動性)が高い取引状況によって発生するチャンスを味方につけるべく、準備を整えているはずだ。古くからの投資の格言にもあるように、誰もが貪欲になっている時は警戒し、誰もが警戒している時は貪欲であるべきだ」
同氏に、パンデミックの影響が最も大きなセクターについて尋ねたところ、航空および旅行(86.1%)や小売業(60.7%)、石油およびガス(45.9%)といった業種に続いて、低金利の状況ではやや意外ではあるが、不動産(41.9%)が挙げられた。
投資顧問会社エバンス・メイ・ウェルス(Evans May Wealth)のマネージング・パートナー、エリザベス・エバンス(Elizabeth Evans)は、以下のように述べる。「(トランプ)政権は、州や地方自治体の首長、産業界のリーダーと協力し、経済を再開する手順について最も有用な情報を手に入られるだろうと、私は楽観的に見ている。そこで、当社はダラー・ジェネラル(Dollar General)やウォルマート(Walmart)のような小売企業や、ソフトウェア企業のオートデスク(Autodesk)などに新たな投資を始めた。強固なバランスシートを持つ企業であれば、この危機を乗り切れるはずだ」
ゴールドマン・サックスは先日、米国の景気動向予測を変更し、2020年は大幅なマイナス成長になるとの見方を示した。なかでも2020年第2四半期に関しては、政府の感染拡大防止対策によって経済活動が大幅に制限されていることを理由に、国内総生産(GDP)が最大で24%マイナスになると予測している。