ロバートソン・スティーブンズ・ウェルス・マネジメント(Robertson Stephens Wealth Management)のチーフエコノミスト、ジャネット・ギャレッティ(Jeanette Garretty)は、「大半の人にとっては、経済がV字回復するという楽観論を思い描けない状況だと思う」と、慎重な見方を示した。「勝者も出れば敗者も出るだろうが、どちらについても、どのような顔ぶれになるかは予断を許さない。ゆえに、投資顧問としては難しい状況だ。底値で買いたい、というのは誰もが考えていることだ。だが、ファンダメンタルズを把握し、利益に関してある程度明確な見通しが立たない限り、底値は見えてこない。今のところはそうしためどは立っていないと思う」
これまでに決算を報告した米国の企業47社を検証すると、利益は前年同期比で32%減となった。とはいえ、貸倒引当金がアナリスト予想よりも多くなった金融部門を除くと、この数字は全セクター平均で事前予想を8.2%上回っている。また、売上高も予想を超える伸びを示した。
BNPパリバ・アセット・マネジメント(BNP Paribas Asset Management)の上級投資ストラテジスト、ダニエル・モリス(Daniel Morris)は、「今四半期と今後数期の決算が、マイナス成長になるのは避けられないだろう。だが、現時点でのマイナス幅が大きければ大きいほど、落ち込んでいた時期との比較で、その後の四半期の回復幅は大きくなる」と述べる。「2020年の1株あたり利益の減少幅が13%で収まり、翌2021年に22%上昇するとすれば、ここ数週間の株式市場でわれわれが見ている株価のリバウンドも、それほど奇妙なものではない」
このような理由があるからこそ、投資家はいまだに株式市場から手を引いていないのだ。