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Photo by Andrew Chin/Getty Images

新型コロナウイルス感染症の流行が小売に与えてきた破壊的な影響は、今では広く知られている。3月の小売売上高は記録的な8.7%の下落となり、必須ではない実店舗の営業取りやめが米国中で広範に行われたのが4月半ばだったことを考えると、4月の売り上げがはるかに悪化するのは確実だ。

新型コロナウイルスによる影響を見ていくと、その内容は多岐にわたる。物の買いだめや自宅での食事が増えたことにより、食料品店や薬局での支出が増えた一方で、デパートの売り上げ(ファッション関連商品に大きく偏っている)は25%ほど低下し、アパレルやアクセサリー店の売り上げは52%も急降下した。

非常に大きな停滞が最悪の時期に訪れた、と言うだけではこの難局を表現しきれないだろう。アパレル専門企業と中流デパートは長年、厳しい逆風にさらされてきた。そして、その多くはかんばしくない経営状態と、寛大に見ても不安定としか言えない流動性を抱えてパンデミック(世界的大流行)に突入した。さらに高級品セグメントでは、3月と4月は正規料金販売のピークの時期で、収益性とキャッシュフローにおいて非常に重要だ。

小売業者は当然必死に供給業者と交渉し、注文のキャンセルや既に受け取った商品の返品、特別値引きの獲得を試みてきた。この反応は一部には、リーマン・ブラザーズが2008年9月中旬に破綻し、株式と個人消費に雪だるま式に影響が及んだ金融危機のピーク時に起きたことと似ている。実際、新型コロナウイルス感染症危機が発生した時期は、ファッションのサイクル上でほぼまさに同じ位置にあり、ファッションシーズン1つ分ずれているだけだ。

高級品・ファッションアパレル小売業者がこの金融危機から受けた影響は深刻なものだったが、パンデミック(世界的大流行)の影響がさらに悲惨なものになることは間違いない。大半の小売業者は2008年秋、商品を一掃するため巨額の値引きを実施した。売り上げや利益への影響は非常に大きかったが、少なくとも実店舗は開いていた。顧客には、商品を購入する機会が多く用意されていたし、多くの企業は間接費を補う機会が持てた。

翻訳・編集=出田静

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