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マーク・ザッカーバーグと妻のプリシラ・チャン(Getty Images)

フェイスブックCEOのマーク・ザッカーバーグと妻のプリシラ・チャンが立ち上げた慈善団体「チャン・ザッカーバーグ・イニシアチブ(CZI)」は4月29日、1360万ドル(約14.5億円)を新型コロナウイルス関連の調査プロジェクトに寄付すると宣言した。

このプロジェクトは9ヶ月間に渡り、ベイエリアにおけるパンデミックの動向を探るもので、カリフォルニア大学サンフランシスコ校やスタンフォード大学と共同で実施される。さらに、CZIから派生したNPO団体のチャン・ザッカーバーグ・バイオハブ(Biohub)も参加する。Biohubは全ての疫病を根絶すること目指している。

「ベイエリアの経済を再開し、医療従事者の安全を確保するためには、パンデミックのメカニズムを正しく把握することが必要だ」と、CZIの共同設立者であるプリシラ・チャンは述べた。

「全人口のうちどれほどの人々が既に感染したのか? 感染拡大のスピードはどの程度なのか? 今後もリスクにさらされるのはどのようなグループなのか? これらの疑問に応えるためには、検査を繰り返していくしかない。私たちのチームはカリフォルニア州における厳格な検査にフォーカスする」

今回のプロジェクトには2つの長期間の研究が含まれる。その1つは、ベイエリアに特化したサンプル調査で、感染拡大率を低く抑えながら、経済を再開させる方法をさぐっていく。ワクチンが開発されるのは、最も楽観的な予想でも2021年の夏とされており、出来るだけ早期に経済を再開させることは重要だ。

もう一つのミッションは、医療従事者の安全確保のため、新型コロナウイルスの免疫メカニズムを把握することだ。感染した人の体内に抗体が作られた場合、再感染は防げるのか? 防げるとしたら、それはいつまで有効なのか? 

CZIはこれまで総額で5600万ドルを、新型コロナウイルスとの戦いに寄付している。ビル・ゲイツのアクセラレータプログラムには2500万ドルを注ぎ、カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)の研究ラボには400万ドルを寄付した。

ザッカーバーグ夫妻はさらに、ここ数週間で複数の専門家たちを、フェイスブック・ライブの番組でインタビューしており、米政府の新型コロナウイルス対策を主導する、国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長にも話を聞いていた。

フェイスブックは2016年の米国大統領選挙以降、個人情報の取り扱いで失態を重ね、企業としての信頼を大きく損なった。しかし、ザッカーバーグは今回のパンデミックへの対応で、再び人々の支持を取り戻そうとしている。

フェイスブックの取締役会からは、ここ最近、主要メンバーの離脱が相次いでいる。アメリカン・エキスプレス元CEOのケネス・シュノールトや、オバマ政権で国家経済会議(NEC)委員長を務めたジェフリー・ザイエンツらは、パンデミックの発生後に取締役の辞任をアナウンスし、5月に現職を離れることになっている。

編集=上田裕資

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