「2020年4月1日以降」の日本を舞台にした小説もしくはエッセイが、1作家1日ずつ掲載される。連載開始は5月1日(金)午前0時から。
初回は辻村深月氏
初回は、第31回メフィスト賞、第147回直木三十五賞、第32回吉川英治文学新人賞などの受賞歴がある人気作家の辻村深月氏。「2020年4月1日」を舞台にした小説で口火を切る。
翌日5月2日は「2020年4月2日」を舞台にした作品を、そして5月3日〜も「2020年4月3日〜」の設定のもとに書かれた作品を毎日掲載する。
各作品の文字数は1000文字程度、2~3分で読了できるボリュームで、スマートフォンやタブレット、PCからアクセス可能だ。
なお掲載作品は英語、中国語でも公開される。英語翻訳は株式会社トランネット、中国語翻訳は、第18回野間文芸翻訳賞受賞、北京大学の岳遠坤氏が担当する。
執筆作家は以下の予定(五十音順・敬称略/4月28日現在)。
相沢沙呼、青柳碧人、朝井まかて、あさのあつこ、赤川次郎、秋川滝美、秋吉理香子、朱野帰子、朝倉かすみ、浅田次郎、麻見和史、芦沢央、我孫子武丸、有川ひろ、有栖川有栖、井上真偽、大崎 梢、恩田陸、海堂尊、垣根涼介、神林長平、黒澤いづみ、ごとうしのぶ、近藤史恵、今野敏、佐藤 青南、志駕晃、重松清、周木律、春原いずみ、瀬名秀明、高岡ミズミ、竹本健治、田中芳樹、辻真 先、辻村深月、砥上裕將、長岡弘樹、中山七里、凪良ゆう、西尾維新、西村京太郎、似鳥鶏、貫井 徳郎、法月綸太郎、早坂吝、伴名練、東川篤哉、蛭田亜紗子、深水黎一郎、椹野道流、真梨幸子、 湊かなえ、皆川博子、森博嗣、薬丸岳、横関大、吉川トリコ、輪渡颯介
約1週間で日本を代表する50名以上が快諾
本連載の端緒は「緊急事態宣言」が発令されて以降、作家と出版社にできることは何か、数年経っても、この時のことを忘れずに前に進める企画はないか、と編集部が考えたことから。立ち上げ決定後約1週間で日本を代表する50名以上の作家が執筆を快く引き受け、その後も連日連夜、新たな作家の参加が決まっている。
編集部は「テレビをつけてもSNSを見ても、コロナの情報がまず目に飛び込んで来るいま、小説家の力で、読むことで、少しでもみなさんの心を明るくできますように。読書を愛するすべての方に、今日からはじまる物語を楽しんでいただけますように」とコメントする。
英訳を担当する株式会社トランネットは、2300冊以上の翻訳実績を持つ出版専門の翻訳会社。白石一文氏、田口ランディ氏らの海外出版の代理人も務め、綿矢りさ氏、中村文則氏らを海外の文学イベントに推薦・随行するなど、日本文学の普及活動を行っている。
中国語翻訳者の岳遠坤(がく・えんこん)氏は、1981年、中国・山東省生まれ。北京日本学研究センターにて博士(文学)取得。現在、北京大学外国語学部助理教授。2011年に第18回野間文芸翻訳賞を受賞している。
なお岳氏は本企画に対し、以下のコメントを寄せている。
「これほど有意義な企画はないと思って、喜んでお受けした。フィクションは"嘘"だ。しかし、時に物語の"嘘"を通して、真実が伝わることもある。フィクション(小説)・ノンフィクション(随筆)の両面を持つこの企画は、緊急事態に置かれる日本人作家の日々の思いそのものだ。同じく思わぬ災難に直面する世界に、中国に、その思いを伝える一助となれば嬉しい」