創業から11年目を迎えた今、グラマリーのデイリーアクティブユーザー(DAU)数は2000万人に達している。そのサービスも、単なる文法関連事項の校正を超えて、多岐にわたっている。
さらに財務面でも、PitchBookの調べでは評価額が23億ドルに達し、2億200万ドルの資金調達に成功するなど、順調に成長を遂げている。
グラマリーの製品は当初、大学の教員や学生に使われることを想定していたが、次第に対象範囲を広げ、今では複数のエンタープライズ向け製品も揃えている。グラマリーの基本サービスは今でも無料だが、月額12ドル50セントのビジネス版と、追加機能が使える月額30ドルのプレミアム版(1年分を一括払いする場合は140ドル)が導入された。プレミアム版の機能には、書いている文章の種別によってカスタマイズ可能な、文章のトーンや文体をAIでチェックする機能などがある。
今のところ、ズーム(Zoom)やアドビ(Adobe)など、エンタープライズ向け製品を提供する企業のほとんどは、教員向けのソフトウェア提供に注力している状況だ。グラマリーは、同社がすでに教育機関に対してオプションサービスを割引で提供している点を指摘した上で、今回はあまり注目を集めていないセクターに目を向けることにしたと述べている。同社はここ1か月、複数のNPOと共同で、こうした団体ならではのニーズに即したメニューの開発に取り組んできたという。
グラマリーの事業本部長で、今回の計画を主導したドリアン・ストーン(Dorian Stone)は、「この施策がもたらすインパクトを評価するプロセスの一環として、非常に強力なフィードバックが得られた。その内容は、NPOがコミュニケーションに費やす時間を減らし、本来のミッションを遂行するのにより多くの時間を使えるようにするために、当社が支援できることについての提案だった」と述べている。「(新型コロナウイルスは)非営利セグメントをさらなる苦境に追いやっている。当社は、その苦境を軽減する手伝いをしたいと考えている」