I write about food tech and science.

Photo by Tibrina Hobson/Getty Images for Los Angeles Times Food Bowl

フードデリバリー企業のドアダッシュ(DoorDash)は、新型コロナウイルス流行の影響で外出できない人々に、レストランで食事をしている気分を届けようとしている。人気の飲食チェーンのバーチャル背景を提供し、Zoomなどの動画プラットフォームにアップロードできるようにしているのだ。これで、外食するのがどんな感じだったかを思い出すことができる。

ジェームズ・ビアード財団(James Beard Foundation)の最新調査によれば、レストランは総じて苦境に立たされており、こうしたささやかな応援も役に立つかもしれない。

新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、社会的な隔離が必要になった結果、消費者はフードデリバリーやピックアップに頼らざるを得なくなっている。お気に入りのレストランで同じメニューを注文して自宅で食べることはできても、雰囲気まで正確に再現することは不可能だ。ドアダッシュは、チーズケーキファクトリー(Cheesecake Factory)、パネラブレッド(Panera Bread)、バッファロー・ワイルド・ウィングス(Buffalo Wild Wings)、クラッカーバレル(Cracker Barrel)、アウトバック・ステーキハウス(Outback Steakhouse)といったレストランのダウンロード可能なバーチャル背景を用意して、気分を盛り上げるのに一役買っている。

好みの背景をダウンロードして、Zoomなどの動画プラットフォームにアップロードすれば、コンピュータ画面上にバーチャルレストランを作成することができる。ドアダッシュは、BGMが恋しい消費者のために、レストランのプレイリストを聴くオプションも提供している。

バーチャル背景を設定すれば、退屈なZoomのビデオチャットが少しはましになりそうだが、それだけではない。不確実な時代をなんとか生き延びようとするレストランにとって、これはマーケティングツールでもある。こうした簡単な方法でも、自宅で過ごす顧客たちに、自宅では味わえない雰囲気を思い出させて、アウトブレイクが収束したら店に戻ってくるよう後押しできる。

しかし、こうしたマーケティングの努力も十分とはいえないだろう。全米1400人のレストランオーナーを対象としたジェームズ・ビアード財団の最新調査によると、1100万人に雇用をもたらしている50万軒の個人経営飲食店が、閉鎖の危機にさらされている。

「調査によれば、4月13日の時点で、レストランオーナーは時間給労働者の91%、給与労働者の70%近くのレイオフを実施した。給与保護プログラム(Paycheck Protection Program :PPP)に重要な修正がなければ、個人経営飲食店は再開できない。そうなれば、1兆ドルの売上を誇り、国内総生産(GDP)の4%を占める一大産業が危機的状況に陥る」と、ジェームズ・ビアード財団は述べている。

調査結果から、デリバリーやテイクアウトの注文が急増しているにもかかわらず、多くのレストランが苦戦している実態が明らかになった。回答者の3分の2は、通常営業を再開できるようになるまで、こうした選択肢だけで長期的にビジネスを維持できるかわからないと述べている。売上が半減したと答えたレストランオーナーは、全体の77%を超えた。デリバリーやテイクアウトだけでは、飲食店は失われた店内飲食の収入を取り戻せないのだ。

翻訳=的場知之/ガリレオ

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