今回の調達は既存出資元のソフトバンクが主導し、ClearBridge InvestmentsやSatwik Ventures、クアルコムベンチャーズなども参加した。ブレインの累計調達額は1億5000万ドルに達した。
「人々は気の利いたセクシーなロボットにばかり関心を注ぐが、私たちが開発したいのは、現実の課題を解決するロボットだ。新型コロナウイルスの感染拡大以降、人々が働く現場をクリーンに保ち、安全性を確保するテクノロジーの重要性は増している」と、ブレインの共同創業者でCEOのユージン・イジケヴィッチはフォーブスの取材に話した。
「ロボットはくしゃみをしないし、咳もしない。熱を出すこともない」
サンディエゴ本拠のブレインはBrain OSと呼ばれる自律走行ソフトウェアを開発している。このソフトは、TennantやKarcher、Nilfiskなどのメーカーが製造する約1万台の清掃ロボットに採用され、コストコやウォルマートなどのショッピング施設や空港などで活用されている。
ブレインは新たな資金でロボットの適用範囲を倉庫内のデリバリーや在庫管理など、パンデミック以降のサプライチェーンの課題となっているエリアに広げようとしている。さらに、欧州やアジア地域への進出も視野に入れている。
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、小売分野におけるロボティクスやオートメーション化の重要性は高まっている。
今年3月の米国の小売分野における、ブレイン社製ソフトを搭載した清掃ロボットの利用率は前年同期比で13%以上の伸びとなったという。「職場をクリーンで安全に保つ技術の重要性は増している」とイジケヴィッチは話した。