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Photo by Costfoto/Barcroft Media via Getty Images

中国のファーウェイは今年3月末の業績発表で、2019年度のスマホの出荷台数が2億4000万台だったと明かしていた。当初の目標は3億台だったが、そのゴールが達成できなかった最大の要因は、米国の禁輸措置により、グーグルのソフトウェアを搭載できなくなったことだ。

昨年リリースした「Mate 30」と、先月リリースした「P40」は、グーグルのソフトウェアやサービスを利用できないことから、売れ行きは低迷している。

しかし、ファーウェイが今、驚くべき動きに出た。同社は新たな地図アプリ「HERE WeGo」を自社のアプリ配信プラットフォームAppGalleryでリリースしたのだ。HERE WeGoの名前は聞いたことがなくても、HEREのサービスを利用したことがある人は多いはずだ。

HEREの起源は、1980年代にさかのぼる。かつてNavteqの名称で知られた地図サービスがあったのを覚えている人も居るだろう。NavteqはOVIやNokia Mapsに名称を変え、シンビアンやウィンドウズフォン向けにサービスを提供したが、2015年にアウディとダイムラー、BMWによるドイツの自動車連合によって31億ドルで買収されていた。

HERE WeGoのナビゲーションサービスは業界トップクラスであり、ユーザーにとってはメリットが大きい。HEREの公式サイトには、次のように書かれている。

「我々は、1985年に地図をデジタル化し、車載用ナビゲーションシステムの先駆者になるという目標をもって事業をスタートした。今後は、自動運転車からIoTまで、戦略的パートナーシップを通じてロケーション・テクノロジーの未来を作っていく」

HERE WeGoのリリースは、ファーウェイはもちろん、グーグルにとっても極めて重要な意味を持つ。グーグルにとって、世界3位のスマホメーカーが業界トップクラスの技術を持つ地図会社と組んだことは大きな脅威だ。

調査会社カウンターポイントは先日、ロケーションサービス業界のトップ企業に、グーグルではなくHEREの名を挙げていた。「HEREは世界をリードする、総合力が最も優れたロケーションプラットフォームだ」とカウンターポイントの担当者は述べていた。

HEREがファーウェイと提携することの最大のメリットは、同社がグーグルに置き換わるファーウェイ独自のエコシステムに食い込めることだ。そうすれば、地図アプリにとどまらず、幅広いサービスに関与することができる。ファーウェイとHEREの協業範囲は現時点では明らかではないが、今後は広範囲に及んでいくことは間違いないだろう。

編集=上田裕資

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