環境は変われど、本質は変わらない。年収1億超のサラリーマン・motoが語った「コロナ時代のキャリア論」

コロナ時代のキャリア論について語るmoto氏


ビフォアコロナとアフターコロナ、仕事の“本質”は変わらない


── アフターコロナの未来予測についてもお伺いします。現在はリモートワーク化が進むなど働き方に変化が起きていますが、こうした動きは引き続き継続していくものとお考えですか。

moto:アフターコロナでは「会議はオンラインで完結する」「リモートワークで十分稼働できる」といった声も聞こえますが、状況に応じて手段を変えているだけなので、僕はあくまで一過性のものだと思っています。

リモートで業務そのものはできたとしても、企業として社員を管理するのは簡単なことではありません。もちろん、出社を義務化していたところから、見直しをかける企業があるかもしれませんが、リモートワークにおける社員の評価や管理に関する解を見いだせない企業の方が多いと思うので、企業と個人の働き方に、大きな変化はないと考えています。

例えば「社員が画面の前で仕事しているか確認する」とか「社員が今どんな画面を見ているかモニタリングする」という管理が行われている会社で働く人は、むしろ窮屈に感じていると思いますし、仕事を作り出せない人は生産性が低いままその会社に依存せざるを得ないため、会社にとってもプラスにはならない。

企業側は「社員がパフォーマンスを最大限発揮できる環境」を提供することが大切なので、ウィズコロナで得た知見を、アフターコロナの時代にどう活かすかについてしっかりと社内で議論すべきだと思います。

── ビフォアコロナとアフターコロナで、それほど世界は変わらないと。

moto:正確には「本質は変わらない」ということです。どんな世界であっても「社会に求められる人材」で居続けることが、私たち個人が目指すあるべき姿だと僕は思います。

ここ数年は、「個人で稼ぐ」というトレンドがありましたが、おそらくここから先の数年間は、企業に安定を求める潮流がぶり返すと予想しています。しかし、その流れにのって思考停止してはいけません。安定した企業が社会で生き残る可能性と、安定した企業の中で自分が生き残る可能性は別問題です。変化に対応し続けるためにも“個の力”は高める必要なので、安定がブームになるであろう近い未来においても、会社に依存しない体質をつくり、サバイバルできる体制を持つことが大切だと思います。

── moto氏が考える「会社に依存しない体質をつくる方法」とは、どのようなものでしょうか。

moto:たとえば僕は、本業以外に副業を持っています。会社を利用しながら自分が目指すキャリアを実現し、その過程で得た知見を副業に還流することで、自身の収入における安定や自分の市場価値を高めてきました。

会社に依存しない体質を作るためにも、目の前の仕事において「自分はどんな価値を提供しているか」を意識することが大切です。本業でも副業でも「自分が何をしたら他人にお金を払ってもらえるか」という視点を持って取り組むだけで、やるべきことが見えてくるはず。企業の看板に頼らず、本業以外でも自分の資本を基にして価値提供をすることが、会社に依存しない体質を作り上げる大切な要素になります。

また、今の社内で出来ることを“自分で考えること”も会社に依存しない体質作りに繋がります。例えば新規の営業を訪問せずに行うにはどうすればいいかを考えて実行してみたり、すでにその成功例を持っている人を紹介してもらうことで、これまでに付き合いの無い人と繋がったり、これまで読まなかった本から新たなインプットを得ることができたりします。

今の時代は、お金だけでなく、自分の経験や人のつながりも資産にしていくことが重要です。目の前の成果はもちろん、長期的に自分の付加価値を伸ばすことを意識することが自分の市場価値に繋がっていくと思います。


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文=小原光史 写真=小田駿一

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