イエローとホワイトがドラマチックな対比を見せるリング──シャネル

CHANEL──Le Paris Russe De Chanel

希少な宝石を惜しみなく使い、職人たちの超絶技巧で、独創性豊かにデザインされたマスターピース。美術品クラスにまで高められたその美しさに、資産家たちの熱い視線が向けられている。流行に左右されず、世代を超えて受け継がれる超級ハイジュエリーの最前線に迫る。

本記事では本誌2月号で掲載された、「ハイジュエリー特集」より、シャネル「Le Paris Russe De Chanel」をご紹介。


毎年、パリで趣向を凝らしたハイジュエリーの発表イベントを催しているシャネル。2019年に発表されたコレクションは「ル パリ リュスドゥ シャネル」。リュスとはロシアを意味するフランス語で、ガブリエル・シャネルのクリエーションに大きな影響を与えたロシアにオマージュを捧げたコレクションとなっている。
 
ガブリエルとロシアとの関わりは意外にも深い。パトロネスとしてストラヴィンスキーやディアギレフといった芸術家を支援し、ロシア皇族のディミトリ・パヴロヴィチ大公と恋に落ちた。香水「N°5」を調香したエルネスト・ボーも、元はロシア宮廷の調香師。夢見るように美しいロシアの話を彼らから聞き、ガブリエルは伝統的なロシアのスタイルをシャネルのモードに取り入れていったという。 

今回のハイジュエリーコレクションでモチーフとして取り上げられているのは、民族衣装や刺繍、双頭の鷲の紋章。大粒のイエローダイヤモンドを配した「メダイユ ソレール」リングは、輝く勲章と、ガブリエルが愛した太陽のイメージに想を得たデザインだ。イエローとホワイトがドラマティックな対比を見せるこのリングは、その贅沢さゆえに、ワンオフとなっている。

注目ポイント

中央は11.33カラット、エメラルドカットのファンシービビッドイエローダイヤモンド。「ファンシー」と冠された石はカラーダイヤモンドのなかでも特に希少。デザインにはオープンワーク(透かし)を巧みに取り入れ、金モールを思わせるラインを効かせている。

DESCRIPTION

素材:18K WG、YG、PT、イエローダイヤモンド、ダイヤモンド
価格:3億5450万円(参考価格)
問い合わせ:シャネルカスタマーケア(0120-346-376)

text and edit by Keiko Homma

この記事は 「Forbes JAPAN 2月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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