負の感情に支配させない、3ステップのセルフマネジメント

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世界がいま、音を立てて変化している。

VUCA=Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の時代と呼ばれて久しいが、言葉こそ知っていれど、本気で「まさにいまがVUCAの時代だ」と体感している人は少なかったのではないかと思う。特に日本では。

その日本が、そして世界が急激に変わっている。いままで生きてきた世界が普通の生活ではなくなり、非日常が日常に変わりつつある。そして、これまでの普通がこの先に戻ってくるかというと、そうではない可能性が高い。この変化は止まらない。働き方は変わり、個々が大切にすることも変わっていく。そういう新しい日常に、私たちは向き合う必要がある。

この状況の中で多くの人が先の見えない環境に置かれ、不安・焦り・イライラ・怒り・虚無感などを抱えながら生きている。

筆者は2015年〜17年の間渡米し、マネジメントの父と言われるピーター・ドラッカーが設立したマネジメントスクール「ドラッカー・スクール」に留学した。ドラッカー・スクールで学ぶなかで、一番本質的かつ学びが深く、私自身の人生の転機となった授業が「Practice of Self-Management」「Executive Mind」など、セルフマネジメントに関するものだった。

その後日本に戻り、セルフマネジメントを核にしたマネジメントプログラム(コンサルティング・ワークショップ・コーチング)を提供する会社を、上記授業をドラッカー・スクールで教え私の恩師でもあるジェレミー・ハンター博士とともに設立し、人が望む結果を得て幸せになることの支援を行なっている。

3月〜4月には「新型コロナの時代におけるセルフマネジメント」「新しい日常と向き合う」などのセッションを実施し、のべ500人ほどの参加者の声を積極的に聞いてきた。その中で、少なくとも90パーセント以上の人が何らかの不安やマイナスの感情を抱えており、さらには身体にも影響があるという人が多くなってきている。一方で、この状況をチャンスととらえる人や、新たな世界が生まれることにワクワクしている人もいる。良い悪いではなく、これがリアルな声だ。
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文=稲墻 聡一郎

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