──本田さんは“音声”に対して、どのような可能性を感じていますか?
本田:音声について、「視覚(動画など)から得る価値の方が良い!」と感じる人が多いことは認めます。そして、その考えも分かります。ただ、僕は聴覚から得る価値は何物にも変え難いものがある、と信じています。テキストや動画からでは味わえない良さがある。
また、可能性という面では先ほどもお話ししたように発信者にとって、SNSには向き・不向きがあります。そういう意味で、これまでのSNSでは活躍しきれなかったけれど、音声には向いてるトップランナーが今後たくさん出てくるのではないか、と期待しています。
黒飛:「アスリート×音声」の可能性は極めて大きいと感じています。普段、アスリートはピッチ上で、フィジカルのパフォーマンスでファンを魅了する。ピッチ外ではなるべく余計な負荷をかけず、気軽に本音を発信しファンを魅了する。両方の魅力が、そのアスリートの生き様だと思います。トップアスリートが持つ素晴らしいメンタリティなども音声で表現していけるのではないか、と考えています。
「プレミアムの追求」がサービスの肝
──ちなみに現在の音声市場に対して、黒飛さんはどのような考えをお持ちでしょうか?
黒飛:ここ数年で盛り上がり、すごく勢いを感じますし、ビジネスとして、体験価値としての可能性も感じているところです。
実際、欧米でも一時落ち着いたかのように感じられた音声マーケットがここ数年で再燃しています。また、日本でも続々と音声サービスが登場しています。「ビジネスはタイミングが命」だと常々思っているので、「今しかない」と満を辞して昨年参入を決めました。
その後、開発半ばで新型コロナウイルスが発生しました。ソーシャルディスタンス(社会的距離)が必須の中、スポーツ大会も軒並み延期、中止になり、絶望の中で自分たちに出来る事は何か、を考えたとき、今まさに開発している「NowVoice」ならば世の中を少しでも明るく出来るんじゃないか、と感じたんです。その思いをきっかけに、もともと踏んでたアクセルをさらに踏み込んでいくことにしました。
運動通信社 代表取締役社長の⿊⾶功⼆朗
本田:そこは僕も黒飛さんも同じ思いです。NowVoiceは新型コロナウイルスとは関係なくずっと開発を続けてきました。ただ、新型コロナウイルスによる影響が日に日に大きくなっていく中で、このサービスは世の中の人たちに対して少しでも役に立つことができるのではないか、という思いが強くなっていきました。