伊藤：私も子供が生まれてすごく考え方が変わりました。私にとっての将来は子どもの未来のことなんだな、と思うようになったんです。子どもに残してあげられるものは何かを考え出したら、口にさせるものひとつでも気になってしまう。
そう考えるようになったので、「無駄をなくしたい」と深山社長がおっしゃっていた話にも共感できます。私のファンは私よりも若い子が多く、いろんなものに興味があり、いろんなものに影響されてしまう年ごろだと思うんです、だから情報が溢れすぎて、何を選べばよいのか悩んでいる人もたくさんいる。でも、流されちゃう人がいても良いと思います。流されてるって自分でわかっていて、気付いて選択できていれば良い。
その中で、変わりたいのか変わりたくないのかを考えることが大切。私達がそのファンの子たちに選択の幅を広げる手助けが少しでもできたらと思います。
深山：伊藤さんとの打ち合わせやコラボレーションで心に残ったことは、「自分らしさは難しい」ということ。自分らしさは意外とありきたりで、一体何なんだ、と。
僕は、人生の節目節目で悩みながら決断、選択していき、それが積み重なって自分らしさになっていくと思っています。
Sparty代表取締役社長の深山陽介
伊藤：私もまだ「伊藤千晃といえばこれだ」と聞かれた時に、胸を張って言えるものはありません。ファッションやコスメ、美容が好きで、これが自分らしさと言えるのかもしれないけど、それでも世の中には私よりもこの分野で優れている人はたくさんいるし、これが自分らしさにつながるか、と言われたらそこまでの自信はなくて……。
実は昨年に初のソロアルバム『Be』をリリースしました。そのアルバムのテーマはまさに「自分らしさ」です。最近は常に「自分らしさ」を探し続けているスタイルこそが、自分らしさなのかな、と考えています。
迷いながら「これであってるのかな」とか、「わかんないけど好きだから買ってみよう」って選択していくのが私らしいし、今回MEDULLAさんと一緒にお仕事ができたという経験で、気づくこともありました。
深山：僕たちも、常に自分らしさを探し続ける伊藤さんの手助けができればと思っています。今後、それがどういうタイミングになるかわからないですけど、その時は僕らも（会社として）大きくなっていたいです。
伊藤：私はMEDULLAさんにはヘアケアだけでおさまらないでほしいと思っています。本当に気持ちがこもった商品なので、1つのジャンルに特化せずに、子どもの気持ちに寄り添ったサービスだったり、きっかけはシャンプーでも、そこからどんどん大きな流れに持っていけるようになってほしい。
深山：これまでの道のりも平坦ではありませんでした。助けてくださったユーザーやみなさんに、どこかでまたちゃんと恩返ししたい。その恩返しが伊藤さんはもちろん、子ども世代や未来の人々がちゃんと「選択」できること、その一助になれたら良いなと。そんな商品やブランドになっていきたいです。
