ビジネス

2020.04.28 07:30

伊藤千晃がスタートアップとの取り組みで見つけた「ひとつの答え」

アーティストの伊藤千晃


「悩み」をもとにした商品開発は初めてのこと


──MEDULLAとコラボレーションして、新たな発見はありましたか?
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伊藤:最初から「悩みを聞いてくれる」というスタンスだったのが驚きでした。一人ひとりに違う悩みがあって、もちろん私にしかない悩みがある。

今までは、ブランドのコンセプトに私というスパイスを加えてほしいというコラボレーションのパターンが多くて、それはそれでありがたいのですが、MEDULLAさんまず「伊藤さんのことを知りたい」と言ってくださった。

もはや、一方的に悩みを聞いてもらって商品を作ってもらった、という感じ。それがすごくMEDULLAさんらしいと思いました。寄り添ってくれる感じといいますか……。
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深山:MEDULLAはサービスの根幹として、毎日の生活をサポートしたいという思いが強いので、しっかり悩みを聞かせていただいてから、商品を作るということが社内に浸透しています。それに、打ち合わせやカウンセリングで話す内容は、その時の気分や体調で変わってきますし、それによって私たちの対応方法も変わってくる。

私事で恐縮ですが、この商品の開発期間中に子供が生まれたんです。出産などのタイミングで、女性って好きだった香りが急に苦手になったり、結構ライフスタイルが激変したりするんですよね。そこにも寄り添っていきたいと、強く感じたコラボレーションとなりました。

伊藤:本当に変わりますよね。私自身産後に身体の変化というのはすごく感じました。その時の髪の悩みなど、リアルな話を寄り添う形で聞いてくれたので、私も自然と心を開いていくことができたんです。



「自分らしさ」の正体とは何か


── 一人ひとりに合わせた製品なので、開発も難航したのではないでしょうか?

伊藤:何万通りの成分を含んだシャンプーを作るという、前例のないことに挑戦するということですもんね。

深山:かなり大変で。正直、製造を受ける工場側もやるメリットないんです。ただこの先、自分にあったものは自分でつくるパーソナライズや、オーダーメイドの手法がヘアケアでも絶対に広がっていくし、「大量に作って、大量に捨てる」ことを無くしていかなければいけないと思っています。

それは5年単位ではなく、50年先を見据えてやっていかなければいけない。おそらく、そこの思いに共感をしていただき、儲からないけど一緒にやってみますか!と(工場にも)言っていただけたのかなと思います。
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文=東春樹 写真=小田駿一

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