管理職は誰もがなれるわけではない 優秀な上司を育てるには

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優れたリーダーシップは、一流の人材と従業員エンゲージメントを維持するカギとなる。人が仕事を辞める主な理由の一つは、ずさんな管理体制であることが、さまざまな調査で示されてきた。直属の部下を持つことになった社員の訓練は、会社の長期的な成長を確保するために不可欠だ。

人の管理は、商品開発やプロジェクト管理と同じくらい重要だ。社員が管理職になるためには準備が必要だ。特に管理職になりたての人には、部下をそれぞれのキャリアパスに沿って指導するためのリソースとサポートが必要だ。

企業の多くは、管理職への昇進を出世街道の一段階として考えているが、駐車場予約サービスを提供する米スポットヒーロー(SpotHero)ではそう軽く捉えておらず、昇進の決断は数カ月に及ぶ訓練と熟考の末に下される。同社のニッキ・ファッキーニ副社長(人事担当)は、管理職は誰もがなれるものではないと考えている。

ファッキーニは、人を最優先する優秀な管理職を育成する方法を私に語ってくれた。

管理職昇進を選択制にする


人材管理には独自のスキルが必要とされ、仕事が上手であるからといって管理職としての才能もあるとは限らない。ファッキーニは「管理職を、決まった足掛かりのように考えるのではなく、分岐した道の一つとして捉えるよう、人々に促している」と述べた。

従業員を管理職に昇進させる前に、学習と探究の期間を設けよう。管理職志望者を指導するアドバイザーグループを作り、管理職が自分に合っているかを本人が見極められるようにする。管理職は誰にでもできるわけではなく、それでもよいのだという考えを広める必要がある。これに気づき、それに合わせて計画を立てることで、長期的な業績改善につながる。

互いに支え合う体制を作る


管理職は時に、厳しい決断や不人気な決断を下す必要があり、孤独な仕事となり得る。企業は管理職のために、セカンドオピニオンを提供する相談役や、つらい時期に支え合う仲間など、必要なサポート体制を整える必要がある。

スポットヒーローは、管理職同士が意見交換をする会議を開いている。これは、仲間からの支援を受ける非常に貴重な機会となる。同社はまた年間を通じ、外部から講師を招いて、学びを優先とした形式ばらない管理職訓練を実施している。そこでは、部下との難しい会話の進め方や、上司の学習スタイルの理解、建設的なフィードバックを与えるコツなどについて話し合い、質問をしたり、外部の専門家と同僚の両方からアドバイスを得たりすることが奨励される。
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編集=遠藤宗生

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