カメラはステレオ録音対応。ビジネス用途にも即戦力
第2世代のiPhone SEと2017年に発売されたiPhone 8は画面のサイズが同じ4.7インチで、デザインもよく似ているが、カメラの実力差は大きい。それは動画の撮影スペックにも現れてくる。
左がiPhone 11 Pro、右が第2世代のiPhone SEで撮影。逆光の環境下でも花の色味を黒つぶれさせることなく、また花弁の輪郭も白飛びさせずに被写体を正確に再現できる「スマートHDR」機能を搭載した。
本体背面のメインカメラは30fps以下の動画撮影時に明暗のバランスを自動で最適化する 「ビデオの拡張ダイナミックレンジ」機能を搭載する。さらにiPhone SEにはカメラアプリで「写真」モードが選択されていても、シャッターアイコンを右方向にスライドさせるとすぐにビデオ撮影モードに切り替わる「QuickTakeビデオ」もある。
iPhone SEは、iPhone 8と同じ12メガピクセルのセンサーとF値1.8の明るいレンズを搭載する広角カメラを1基載せている。
ビデオ撮影時には音声がステレオマイクで記録される。iOSに標準搭載されているFaceTimeアプリによるビデオ通話は、ステレオ録音のクリアな音声を通話相手に届けられる。新型コロナウィルスの感染拡大を予防するため外出を自粛せざるを得ない中、自宅からリモート会議やオンライン飲み会に参加する際にiPhone SEの高いマイク性能が真価を発揮する。ビジネス用途のスマートフォンとしても即戦力になる。
FaceTimeアプリによるビデオ通話は明瞭な音声を相手に伝えられる。
迫力十分のRetina HDディスプレイ。Touch IDはやはりいい
普段5〜6インチ台のスマートフォンを使い慣れてしまうと、4.7型の液晶Retina HDディスプレイを搭載するiPhone SEがさぞ小さく感じるのだろうと思っていたが、想像していたよりも画面サイズにギャップは感じなかった。理由はおそらくホームボタンを含むディスプレイの上下左右を囲うベゼル(枠)の色がブラックだからだろう。
映像とベゼルとのギャップを意識しないでも済むので、動画配信サービスや写真、ゲームなどコンテンツの映像に深くのめり込める。本体色がホワイト系のiPhoneにブラックのベゼルが採用されたのはiPhone 3GS以来ではないだろうか。
ホワイトのiPhone SEもベゼルの色がブラック。動画や写真を画面に表示した時に高い没入感が得られる。
左は約5.8インチのiPhone 11 Pro。本体のサイズはiPhone SEの方が明らかにコンパクトだが、ディスプレイに表示される映像の没入感は十分に高い。