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2020.04.28

テレビCMの価値はまだ「ノバセル」。ラクスル3つ目の柱へ

Getty Images


また、効果測定ツール「ノバセルアナリティクス」を駆使することで、曜日別や時間帯別、番組別と細かく効果を確認する。最適な場所に掲載することを主目的としているのだ。これまで効果が分かりにくいと言われてきたテレビCMに、インターネット的な考え方を持ち込んでいる。

人口の73%を占める30歳以上は、インターネットよりもテレビの視聴時間が長い。新型コロナウイルスの影響で、視聴時間は上昇傾向にあるという。インターネット広告がシェアを広げるなか、テレビCMの存在は無視できない。年間売上規模50億円以上の広告決済者300名に行った調査によれば、約86%が新規顧客獲得・認知拡大を目的としたCMの検討経験があるという(ラクスル調べ:2020年2月)。しかし、テレビCMにはこういった声がつきまとう。「費用が高い」「効果が見えない」「効果測定の仕方が分からない」と。そこで「ノバセル」の出番なのだという。

新しいコンセプトは「DX生産性革命」


会見でラクスル代表取締役社長CEO・松本恭攝は力強く語った。「生産年齢人口が年々減少し、どの業界でも人手不足の問題に直面する。そんな中で、世界的に見ても日本はデジタル化の進みが遅く、生産性の改善が急務。ラクスルはプラットフォームにより取引効率を改善するだけでなく、ソフトウェアの力によって業務効率を改善していく」

現場を統括するラクスル取締役CMO・田部正樹も続く。「テレビCMと言うと、認知拡大を目指してタレントを起用し、いきなり関東関西で実施する企業も多いのですが、それはかなりリスクの高いチャレンジだ。博打することなく、確率をあげ、リスクを最小限に抑えてチャレンジする。勝つ確率が高くない状態で費用を投下できないスタートアップや中小企業にとっては、特に評価頂けるサービスだと思う」


ラクスルの松本代表(左)と田部取締役CMO

新しいコンセプトを「DX生産性革命」と掲げ、印刷・広告・物流の3分野において変革を起こしていく。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け全世代でデジタル化が進む今を、松本は「日本経済が変わる最後のチャンス」と捉えている。

文=齋藤優里花

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