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2020.04.28

テレビCMの価値はまだ「ノバセル」。ラクスル3つ目の柱へ

Getty Images

「がんばらへんことも大事やで」、タレント・浜田雅功が忙しいママに語りかけるTVCMを見たことがないだろうか。出前館のものだ。「幸せはすぐ届く」を大事にする出前館の魅力をうまく伝えたTVCM、これはラクスルによって作られたものだ。

莫大な費用がかかる一方で、その広告効果は不明瞭。そんなテレビCMの概念が変わろうとしている。印刷・集客支援のプラットフォーム「ラクスル」、物流のプラットフォーム「ハコベル」で知られるラクスルが、新たに広告プラットフォームを展開。「ノバセル」を正式にリリースした。効果測定ツール「ノバセルアナリティクス」と共に、クライアントの広告活動を助ける。

ラクスル ノバセル

「早い、安い、簡単」で話題に


ラクスルによるTVCMの企画・制作・放映サービスが最初に話題になったのは2018年。すでに300社以上の実績をおさめているが、この間、「TVCMは大企業が打つもの」という常識を覆してきた。スタートアップや中小企業など、これまでTVCMに手が届かなかった企業がトライしやすい仕組みを生み出したのだ。

その前にラクスルの思想を確認しよう。印刷・物流の事業を展開しながらも、印刷機やトラックを所有せず、稼働時間外の印刷工場などの「空き枠」をうまくシェアし、仕組みを変えてきた。今回の「ノバセル」にも、この思想が十分反映されていると言えるだろう。

TVCM制作の問い合わせを受けると、まずは無料で事前調査を実施。定性・定量の結果を元にコンセプト作成する。制作会社をネットワーキング。空いている稼働を活用し安価で手がける。また、放映プランニングは番組指定で実施。日本全国の放映局にてスポットもタイムも対応する。効果が見込める枠を細かく指定するラクスル流バイイングで、無駄をなくし、ROIの良いメディア戦略が可能になる。こういった仕組みを利用することで、小規模・低予算でのCM放映を可能にしたのだ。

放送プランは様々。クライアントのニーズや予算、ターゲットに応じたものを用意する。最低100万円から受け付けており、最初の面談から放映まで最短2週間で実現可能とのことだ。クライアントもそのスピード感に驚いていることだろう。クリエイティブも複数パターンを用意。A/Bテストを行い仮説検証。より効果的なクリエイティブをターゲットに向かって発信していく。

ラクスル ノバセル
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文=齋藤優里花

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