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すべては「持続可能性」のために

―ステージⅢということですね。しかし、ステージⅢを前に酒井社長は代表権のない会長になり、田堂哲志取締役に後を託すのはなぜですか。

酒井:私は、会社には社会から存続を許されるサステナビリティ(持続可能性)が必要だと思っています。会社はその時々の経営者が外的要因の変化とともに変えてくれていいのですが、会社としての将来的な目標というか理想像というか、根幹となるものは変わってはいけません。それでも、いろんな人が社長をやったほうがいいと考えて、私は3年で退任するつもりでした。そのときに、この4月から社長になる田堂を後継者にしようと決めていたんです。彼は海外経験もあるし、中途入社なので外からこの会社を見ている。そのうえやる気もある。しかし、バトンを渡すのは時期尚早ということで、もうしばらく続けることにしました。

その後、後継者として田堂が適任かどうか、田堂を取締役にして他の取締役たちにも観察してもらった。それで合格点をもらったので、彼を後継者に指名したのです。

―会社としての持続可能性を考えたのですね。

酒井:会社としてサステナビリティを保つためには、そういう仕組みをつくらなければなりません。ただ、どんな計画を立てても、それを実行するのは人です。従業員も含めて人材がファーストプライオリティなのです。株主のためだけに事業をやっているわけではないのです。

まず、大切なのは「銭」。収益を上げることです。収益を上げない限り、税金も払えないし、社会貢献もできない。収益を上げれば株主も喜んでくれるはずです。

―これからは世界を視野に入れていくわけですね。

酒井:はい。私は今、日本塗料工業会の会長をやっているんですが、これからはそちらに力を入れて、もっと塗料の認知度を上げていこうと思っています。一般消費者はペンキの魅力をあまりわかっていない。それは業界の取り組みが不十分だったからです。例えば壁紙。日本では、多くは塩ビシートを使っていますが、ペンキには壁紙にない長所があります。海外は内装もペンキが普通です。日本の塗料メーカーが海外メーカーに勝てない理由もそこにある。ペンキの良さをどんどんアピールして、業界の売り上げを増やして、世界レベルに少しでも近づけるようにしたいと思っています。

文=鈴木裕也(フォーブス ジャパン)

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