しかし、面接での質問が全てあなたの成功を後押しするようにできているわけではない。一部の質問は、適任でない人を落とすためにできている。会話のすべを心得ていなければ、簡単に不利な立場に置かれてしまうのだ。
採用面接のプロセスでは、最高のストーリーを語った人が勝つ。ここでは、落とし穴となる質問が現れたときにそれを認識できるようにする方法と、間違った答え方をしがちな場合でもそのわなにはまらないためできることを紹介する。
1. 「まずは自己紹介をしてください」
驚くことに、このシンプルな質問は誤解に包まれており、実は答えるのが難しい。表面上は、自分について話すことを求められていると思うだろうが、それこそがこの質問の落とし穴だ。面接官はあなたについて尋ねているが、相手が知りたいのはあなたが自分のために何をしてくれるのかだ。さらに言うと、あなたの語る話がその会社にどう役立つかを意味する。
この質問を額面通りに捉えれば、生まれたときから昨日までの経験を、大学での成績から最新の勤務経験まで話そうと思うかもしれない。しかし、自分のことだけ話すような1人称のわなにはまらないこと。話す内容を、その場で最も重要な人である面接官とつなげることを忘れない。あなたがその企業やそこで働く人に対して何ができるのかを語っていなければ、本当に重要なことを共有していないからだ。
つながりに集中すること。2人称（面接官）を中心として話を進めたらどうなるだろうか？ あなたの経験は目の前の人や採用企業にどのような影響を与えられるだろうか？ このつながりを作れば、難しい質問のわなから抜け出せる。
2. 「お気に入りの上司について教えてください」
この不明瞭で生温い質問に答えるのは難しい。素晴らしい上司の元で働くことができた人はなおさらだ。大半の人は、この質問の後に他の質問が続くことに気づいていない。「最も気に入らなかった上司は？」と尋ねられ、準備ができていなければ不意打ちを受ける。最悪の上司の悪口を言い、最悪の会社で働いていたその嫌な上司をけなしたくなるかもしれないからだ。
採用面接で人をけなしてしまうと、不利な立場になるのはあなただけだ。あなたの上司が難しい人だった原因はいくつかあるはずだが、この質問で面接官は上司の心理や好み、管理手法についての分析を求めているわけではない。
